464.jp、ついに配信停止・・・

一部の好事家の間で評判となっていたゲリラサイト「464.jp」が、ついに配信停止に追い込まれたらしい。

464.jp

このサイトは、村元寅次という個人(マンガ喫茶の経営者らしい)が、マンガをとにかくスキャニングしてpdfファイル化してネットで公開(試験期間中ということで今年3月までは無料とのことだった)するという、いやはや、何ともゲリラなサイトで、しかも、著作権管理団体らしきもの(「全日本漫画著作権管理機構」という名称)を立ち上げて、そこを通してマンガ家団体に著作権使用料を支払うということまでブチ挙げていたので、個人的に苦笑、いや、期待していたわけですが・・・。

私は一応、「仮会員」登録まではできたのですが、そこから正会員への登録が、なぜかできず、結局464.jpというサイトから閲覧ができなかったのですが、「仮登録」会員に対してもお知らせメールが届いていまして、本日、以下のようなメールが来たというわけです。

--------引用開始--------

お詫び

2005年1月23日よりサーバの新規移転作業を行っておりましたが
出版社および漫画家の先生方々より
配信停止要請をいただき当サイトも著作権契約を
しておりませんでしたので上記の各方面にご迷惑をおかけしました

このままでは問題が出ると考え 25日コミックの配信を
停止いたしました。

いままで当サイトは「21世紀のコミック作家の著作権を考える会」の方と著作権の支払いについて
お話し合いをさせていただき、同協会の意思を私なりに理解し著作権者に
対して著作権料を新しい形で徴収しお支払いする仕組みを作りご提案をしてまいりました。
しかしながら 今回のような停止依頼が参りましたので
依頼に従い停止いたしました。

皆様にご迷惑おかけいたしますこと深くお詫び申し上げます。
コミック・マンガ業界が 更なる発展をしていくことを願っております

著作権者の方と契約が出来きましたら464.jpを再開いたします。
近々464.jpの近況もお知らせ致します。今後ともよろしくお願いいたします。

現在 有料会員の方からお預かりしている利用料金は
お振込み頂いた料金を返金いたします
お振込み時のお名前、振り込み受付番号、振り込み金額
こちらからお振込みする 
お名前・銀行名・支店名・口座種別・口座番号を
ご記入の上、下記メールアドレスにご連絡ください
確認取れ次第順次ご返金いたします
info@muramoto.net
【重要】このメールを返信しても送信専用なので管理者あてに届きませんので
くれぐれも返信でお送りにならないようご注意ください。

★★ 手作業による作業のため1週間ほど処理に掛かると思います ★★

464.jp臨時サーバ http://58.158.184.14

このメールは退会された方にも念のためお送りしております。
ご迷惑おかけいたしますがなにとぞご理解ください。
*******************************************
464.jp管理運営者
村元 寅次
*******************************************

まがCGI(c)Copy Right 2001 Chama.ne.jp All Rights Reserved

--------引用終了--------

・・・無事著作権者と契約を交わしていただいて、再開なされることを心から願っております!
(インターネットアーカイブ社はこのサイトをアーカイビングしているのだろうか・・・?)

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「予備的調査」の内容を推察すると。

つづきです。
以上の調査により明らかになったのは、

「予備的調査」は、日本ビジュアル著作権協会の息がかかった「知的財産権を守る議員連盟」が中心となって出されたものと推測できる、

ということです。
そうすると、この予備的調査の内容は、教材が教育現場でどう使われているのか、とか、教育現場できちんと著作権保護がされているのか、とか、外国で教材の著作権関係がどうかとか、外国では教科書補償金制度があるのかとか、そういうことなのでしょうか。日本ビジュアル著作権協会の主張や前田議員のインタビューなんかを読むとそんな感じがします。

ひょっとして、来期の法制小委では、このあたりが議論になるのかもしれませんね。
また権利制限の縮小の議論ですか。もうやってられませんね。
とはいえ、図書館には累が及ばないので、少しはましかもしれませんが・・・

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「知的財産権を守る議員連盟」ってあるんですね。

つづきです。
で、前のページにすると、
「【ニュース】知財保護へ議員連盟が発足(5月31日)」っていうページへ。

今年の3月11日に「知的財産権を守る議員連盟」が発足したらしい。結成集会には国会議員や作家
法律家など計50人が参加したらしい。
発起人は、海部俊樹元首相(自民)、羽田孜元首相(民主)、鳩山由紀夫民主党元代表、大田昌秀参議院議員(社民)だそうです。超党派の大物議員ぞろいですねぇ。国内の知財を保護する法律を整備し、「知財立国」を促進するのが発足の趣旨だとか。菅直人議員もメンバーだそうです。
前田議員のあいさつ、すごいですよ。利用者側の立場をとられるブロガーさん、卒倒なされないようにご注意を。
「3000万人がネットを使う時代に、著作権をいかに守っていくか大きな課題」うゎ〜!!権利者がぶり寄りじゃないの。
次。樽井良和議員「任天堂はかつてゲームソフトを米国企業にコピーされたとして裁判で徹底的に闘い、ディズニーもキャラクターを無断使用されたとして新宿の闇社会を相手に闘った。こういう会社が伸びている」あの・・・任天堂ってかつてはバリバリコピーしまくりだったんでしょ?ディズニーも闇社会だけじゃなくって保育園なんかにクレームかけまくり、ロビイングで保護期間も延長しまくったでしょ。ああ、だめだこりゃ。

少し前、「われらエンタメ族」なんていう記事で、レコード輸入権導入をめぐって公取を脅していた「知財族」の様子が紹介されたことがありましたが、こういう「知財族」の牙城がまた誕生したんですね。民主党エンタメ議連が風前の灯状態の中、またしても権利者寄りの族議員が登場してしまいました。ああ、おそろしや。

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やっぱりビジュアル著作権協会か!?

先のエントリで、「知的財産権保護に関する施策と教育現場における著作権保護に関する予備的調査申請書」についての情報キボンヌって書きましたが、あっさり分かりましたので報告します。

やっぱり「日本ビジュアル著作権協会」がらみのようです。
提出者である前田雄吉議員の氏名と著作権ということで「前田雄吉 著作権」とググってみたら・・・。
一番トップに「日本ビジュアル著作権協会」のサイトが表示され、クリックしてみると、
「【インタビュー】教育現場における著作権問題の重大さ(5月31日)」という、同協会のニュースサイトの一ページに飛び、「著作権問題を中心に議連事務局長の前田雄吉氏に聞いた」っていう記事が現れます。

「議連」って?という疑問はさて置き、読んでみますと・・・
・著作権の問題が発生したから本文を載せないという教材が多く載せられている。これでは子どもたちがまともに勉強できない。
→日本ビジュアル著作権協会のやり方に問題があるのでは?
・教材会社を束ねる団体に多くの文科省OBが天下っている。これは癒着だ。
→著作権と無関係では・・・?
・教材会社にも著作権料を支払って作品を使いたいところもあるのに、こうした構造に縛られている。
→「こうした構造」って、何??文科省OB天下りと関係アンノ?
・こうした状況を変えるため、議連では教材会社を読んでヒアリングをし、委員会質問などを活用して著作権法改正などに取り組みたい。
→現行法でも作家は著作権で保護されているので、この改正って教材会社の有利なような改正でしょうか?でもその前に「癒着」とか言っていますので、教材会社寄りの活動をするのはおかしいか。だったら何をしたいんでしょう?ハテ?
・それともうひとつ、作家の皆さんにもぜひ声を掛けていただきたい。現状をかえる大きな力になるから。
→やっぱり教材会社寄りか。ひょっとしてこの改正って、教材会社が作品を無断使用したら罰則を厳しくするっていう内容かもしれませんね。

とまぁ、よくわからないインタビューでしたが、次はこの「議連」とは何かを調べるため、このページの「前のページ」というボタンをクリック。すると・・・
「三木卓さん、富山和子さんが著作権侵害の実態を報告(5月31日)」という記事が。

そこには、おそるべきことが書かれていました。
三木卓さんの作品が問題集でズタズタになっている、という「告発」が!
(問題なんだから仕方ないのでは??同一性保持権の例外規定を削れっていうのでしょうか)
それはいいとして、富山和子さんの「告発」って、教科書補償金制度が安すぎるっていう内容。これって「著作権侵害」じゃないですよ(笑)

そして、一連の教材訴訟の「黒幕」である藤原弁護士による「経緯と現状」が。
いやぁ、すごい。
東京高裁の裁判官が「教科書で使われている作品が教材で使えないのはおかしい」と言ったのを「日本人の非常識」と断言してます。ホントか??
で、法改正を求める、と。

なるほど・・・この人は、著作権法33条廃止論者だったんです。すなわち、議連の活動目的は、教科書補償金制度を廃止して、すべて作家の許諾が必要にするということだったんです。

というわけで、さらにページを前に送りますと。
【つづく】

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近デジへの質問主意書の質問本文が公開されました。

以前、国立国会図書館のアーカイブ事業に関する質問主意書が出されたことを紹介しました。そのとき、まだ質問本文が公開されていないのでよくわからない、と書いたのですが、本日衆議院HPを確認したら、公開されていました。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a163034.htm

経過情報」をみると、平成17年11月4日に答弁書を受領していることになっていますので、もう処理は終わっているはず。どんな回答になっているのでしょうか・・・。

で、質問本文を読んでみたら、国立国会図書館については全5問中1問で触れられていただけ。のこりは、レコード、映画、放送番組のアーカイブをつくらないのか、とか、青空文庫のような事業に支援等しないのか、という内容でした。近デジについての質問も、近デジを文化的にどのように政府として評価しているのか、というものでした。保護期間延長反対の立場からの質問なのでしょうが、結構遠回しに尋ねているなぁという感じがしました。

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文芸5団体の公貸権関連声明(長くてすみません)

またまた三田さんがやってくれたようです。
昨日(11/8)、日本文藝家協会をはじめとする文芸5団体が、「図書館の今後についての共同声明」を出しました。

Mainichi Interactive
共同声明:図書館貸し出し補償求める 文芸家協会など
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20051109k0000m040092000c.html

YOMIURI ONLINE
文芸家協会など5団体、図書館の充実求める声明
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20051108ij21.htm

このニュースは毎日や読売の「紙の方の」新聞紙上でも掲載されていますが、どちらもネットの記事の方が内容が詳しいですので、ネットニュースをご覧になることをおすすめします。

お、著作権関係のブログでも早速このネタを取り上げられていますね。さすが。
Copy & Copyright Diaryさん、万来堂日記さん、エンドユーザーの見た著作権さん、著作権云々さん、ふっかつ!れしのお探しモノげっきさんで取り上げられていました。「図書館振興なんて言うけど、要は公貸権導入が目的なだけなんじゃないの?」という論調もあり、私も激しく首肯するところです。

つまり、この声明では、(1)図書館予算の増大、(2)図書館司書の増員と、図書館の強化を訴えた上で、最後に(3)国家または公的機関による著作者等への補償制度の確立を訴えているわけですが、これまで図書館のことを目の敵にしてきたこれらの人々(日本文藝家協会の三田さんも、日本推理作家協会の大澤さんもそうですよね?)が、なぜ今になって、図書館の強化も内容に含んだ声明を出すかが、いかにもうさんくさいわけですよ。で、(1)(2)を出して図書館から賛同を得たうえで、(3)についても図書館側の理解を得よう、そんな観測が出てくるわけです。

このことについてですが、実はこの声明、当初は日本文藝家協会と日本ペンクラブが日本図書館協会と一緒に出そうとしたものらしいのです。ところが、日本図書館協会は、2004年3月5日に、「図書館の基盤があまりにも貧しい現状では、公貸権制度の導入は時期尚早。まずは欧米並みに図書館の基盤が強化されることが先決」という内容の見解を出しています(「図書館における貸与問題についての見解」(2004年3月5日))から、到底受け入れられないわけで、難色を示したわけです。そうしたら、ということで、三田さん(とおそらく日本ペンクラブの松本佑子広報委員長)は、日本推理作家協会、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会に接触して、著作者団体合同での共同声明ということにしたのではないかと思います。

また、聞くところによると、この声明、少し前には文案が固まっていたとかで、一部では「なぜ発表しないんだ」という声もあったらしいです。そして、「10月27日の文字・活字文化の日に発表するんじゃないの?」という観測まで出る始末。う〜ん、なぜこの時期なのかはギモンですね。

この声明で私が一番驚いたのは、日本推理作家協会が名を連ねていたことです。この協会は、公貸権制度の導入よりも、貸出猶予を主張していて、昨年文化審議会著作権分科会に出した要望書でも、「公貸権の導入にあたって、国や自治体に補償金等の財源を求めるものは、金額的にあまり実効があがらぬ恐れがあるほか、手続き的にも繁雑な作業が予想される」としたうえで、「新刊本の売れ行きは、発刊後2週間ほどでピークを迎え、6ヶ月ほどでほぼ落ち着く。いわばこの6ヶ月が、著作権者等の主たる収益回収期間なのである。この利用機会を保護するため、公共図書館に一定の貸出猶予期間(3〜6ヶ月程度)を設定するよう、法制化を進めていただきたい」(*)と書いています。
日本推理作家協会は見解を改めたのでしょうか・・・??

(*)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/04093001/002/004-4.pdfの(82)とヘッダーが振ってある文書が、日本推理作家協会の要望書です。このpdfファイルはかなり重いので、ご覧になる際にはご注意ください。

あと、今回の声明で最初に図書館予算と司書の増大を求めていることについてですが、おそらく先の日本図書館協会の声明を意識してのことだと思います。先にも述べたとおり、日本図書館協会では、欧米先進国の水準にならない限り、公貸権導入の議論を行うのは時期尚早という立場を取っています。そこで三田さんは、図書館予算と司書の増大を実現して図書館を欧米先進国並みの水準に引き上げれば、日本図書館協会が公貸権導入の議論の場に参加せざるを得ないと考えたのではないのでしょうか。

また、この声明、文芸5団体が共同して出したということにもかなり意味があります。これも伝え聞くところによりますと、文化庁は公貸権制度の導入要望につき、文芸家の団体で意見を一本化しない限り受け付けない意向を示したそうなのです。で、先に述べたとおり、日本推理作家協会は公貸権制度に消極的だったので、意見の一本化が実現できなかったのですが、この声明でようやく一本化が実現し、文化庁にあらためて要望するための環境を整えたというわけです。

公貸権制度導入推進派にとっては、文字・活字文化振興法の制定に引き続き、公貸権制度導入のためのステップをまた一歩進めたことになります。これで今後はますます公貸権制度をめぐる動向を注視する必要がありそうです。

なお、日本図書館協会は、本日付けのメールマガジンにおいて、「日本図書館協会は、共同声明で図書館への理解、協力を示されていることについては心から感謝するものであるが、「著作者等への補償制度」が「図書館の貸出しに対する補償金」との考え方をされていることについては賛成できない旨をかねてから表明している。文芸文化を護ることは、図書館も含めた国民の知的基盤にとって大事なことであり、そのために著作者、出版社など関係者との協力を強めていくものである」とのコメントを発表しています。従来の日本図書館協会のスタンスからみれば当然のコメントといえるでしょう。

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諸外国の公貸権制度の調査報告が発行!

数年前から公貸権だとか公共貸与権だとかという制度の導入につき、主に日本文藝家協会あたりから要望が出されている状況のようで、日本ペンクラブの松本侑子氏なんかは、あの文字・活字文化振興法案のシンポジウムで臆面も無く制度導入を訴えていたわけですが、その公貸権の諸外国での制度について、著作権の専門家による調査が(社)著作権情報センター附属著作権研究所というところで行われていました。

そして今般、この調査報告が、同研究所から発行されたとのことです。
何でも同研究所に連絡すれば、誰でも無料で分けてもらえるらしいです。
みなさんも、ぜひ分けてもらい、読んでみましょう。

風のうわさでは、あの三田誠広氏がこの報告書の完成を待ち望んでいるとか。「どうです。ヨーロッパではこういう実績があるんです。日本もこの制度を導入しなければ、野蛮人と罵られますよ!」とでも言うつもりなのでしょうか(w

私の知るところでは、諸外国の制度導入の実態はお寒い限りのようなので、三田氏がこの報告書を読んで意気消沈するのでは、と、何だか心配になってきたりします。

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衆議院HPに文字・活字文化振興法案の要綱・本文がUP!

衆議院HPにて文字・活字文化振興法案の要綱・本文がUPされていました。
(なぜかどちらも冒頭に「一」という文字が無意味に記されています・・・)

文字・活字文化振興法案要綱(衆議院HPから)

文字・活字文化振興法案:本文・理由(衆議院HPから)

・文字・活字文化振興法案(第162回国会衆法第24号)審議経過(衆議院HPから)

コメントは、後ほど。

そういえば、日本図書館協会も同法案に関する声明を発表したようですね(Copy & Copyrightさん経由)。

日本図書館協会「文字・活字文化振興法案について」(2005/7/8)

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知財推進計画2004の見直しに対する意見が公表

謎工さんの新Blog "The Casuarina Tree"経由で、
あの知財推進計画2004の見直しに対する意見(私は出しませんでした・・・すみません)が公表されたことを知りました。

知的財産推進計画2004の見直しに関する意見募集の結果について

それを早速読んでみました。
う〜む、謎工さんの「工作」が効を奏して(謎工さんご自身のものと思わしきご意見も多数見受けられますが)、全体的に保護強化反対の立場の意見が多いです。

ですが、ごく少数ながら、出版者の方のご意見(p.46)や、推理作家協会の方?と思わしきご意見(p.50)なども。
ところが、この出版者の方のご意見、明らかに版面権の創設を求めていらっしゃると思うのですが、事務局の方が「版面権」としてまとめたところではなくて「デジタルに対応した著作権」というカテゴリの中に入っています。また、上映権の権利制限の限定反対の意見が「版面権」のカテゴリに入れられていたり・・・作成なされた方のご苦労が偲ばれます。

「推理作家協会の方?と思わしきご意見」とは、次のものです。

○公共図書館の貸出に対し著作権使用料を支払う制度を導入する。公貸権料は全国の図書館の貸出明細を貸与権管理センターにおいて年度毎に集計し、しかるべき料率を以てその額を算定、それを書証として各著者に送付する。著者は確定申告時に同証書を添付、使用額相当分を所得控除として申告できるものとする。出版物の収益回収期間として、公共図書館の貸出開始までに一定の準備期間を設ける。(p.50)

これがなぜか「著作権の管理」にカテゴライズされています。「貸与権管理センター」という記載があるから?せっかく「貸与権」というカテゴリを設けている(pp.44-45)んですから、そこに入れないと!
(そしてそのカテゴリには、「貸与権管理センターが動いていない」といった内容の意見書があるわけで・・・)
ここでは、公貸権の導入と同時に貸出し猶予期間の新設まで要望していますから、おそらく日本推理作家協会の方か、その主張にご賛同なされた方がご提出になられたに違いありません。

しかし、図書館の貸出しと出版物の売上げ減少の因果関係って、論証されていない(むしろ否定的?)んじゃなかったでしたっけ?(まぁ、公貸権を導入している国でもこの因果関係を証明している事例はないんですが)

公立図書館貸出実態調査2003報告書(日本書籍出版協会HPから)

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パネルディスカッション(3):「文字・活字文化振興法」シンポジウム(9・完)

シンポジウム「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」の続きです。
例によって発言の正確さは保証しませんから、細かい揚げ足取りなんかには使わないでくださいね。
(もっと正確なのは後日読売新聞やYomiuri Onlineの「21世紀活字文化プロジェクト」のページなんかに掲載されるでしょうから、そちらをご参照ください。)

○ パネルディスカッション「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」(承前)

児玉:出版業界から何か要望は?
小峰:この法案によってこの10年の施策が生かされた感じがした。子どもの本の議員連盟との連携も進んでいる。国の施策では、文化審議会の平成16年の答申「これからの時代に求められる国語力について」に期待している。
これまでの施策によって、子どもの読書環境が活発になってきた。今度の振興法はすべての国民が対象となっている。社会全体への取り組みはこれからである。
公共図書館の予算削減は、出版業界にとっても読者にとっても深刻な影響があるので、公共図書館や学校図書館の整備が求められている。
「施策の展開」については、この10年に必要な施策が並んでいる。法律の実体化のためには、この「施策の展開」のところを実体化できるかがポイントとなると思う。
学校図書館に関する要望については、教育現場の方の要望と捉えている。学校図書館整備5ヵ年計画が平成18年で終了するので、平成19年に向けて、次は高校の学校図書館も入れた施策が求められる。また、学校図書館法改正時の附帯決議を実現していただきたい。
すべての自治体に公共図書館の設置をがんばっていただきたい。3,200ある自治体のうち、設置自治体が1,800もない状態である。設置基準の改革も進めていただきたい。また、読書に関する専門職員の育成も行っていただきたい。
この法案は、活字文化振興のための重要な道しるべとなるものである。国会会期中の成立に向け、エールを送りたい。

児玉:気になるのは学校図書館整備費予算のことで、交付税予算になっているので図書館の整備に使われていない割合がかなりのパーセントであると聞いているが。
河村:日本の予算の組み立て方に問題がある。試算では学校ごとに算定を行っており、年間150億円を組んで都道府県に出している。そして都道府県段階では首長に任せることになっている。地方分権の時代ですから。これが政策官庁としては問題となっている。
町長や市長なんかが熱いところはこの予算以上が支出されている。したがって、省に数字が上がってくるときは、数字が合っている。ところが、「未来議連」で具体的に各自治体に尋ねると、自治体によって格差が出ている。これをきちっとやらないといけないと思っている。このことを各地方でも言っていただかないといけない。

児玉:図書館の存在を知らないところもあるだろうから、リーダーシップを取る人の見識によることになる。
司書教諭を増やす方策は?
肥田:学校図書館を充実させるには、人と本が必要。ところが、人はほとんどが兼任。授業を持って、終了後に図書館へ駆け込むという状態で、過酷な状態である。何としても専任とすることが必要。
「学校司書」という文言を入れたかったが、法律で定められている名称ではないので「専門職員」としている。こういう人の配置はぜひ進めなければならない。

児玉:高学歴の人のモラルの低下の状況に今回の法案がもたらす影響は?
鈴木:教育基本法の改正の問題を抱えている。と言っても、復古調のものを作る気は無い。我々の目指すイメージは、豊かで平和な民主主義国家である。私はプロジェクトリーダーとして1回2時間の会議を50回程度行っている。文字・活字文化振興法は議員立法で、教育基本法改正は内閣から提出してもらう。現在はこの詰めの作業をしているが、この教育基本法改正により、教育振興基本計画を策定することになっている。この計画の中に、学校図書館、司書教諭、図書館の問題などを位置づけるよう、お互い進めていて、お約束させていただく。

児玉:この法案へのエールをお願いします。
松本:日本文藝家協会も日本ペンクラブも、この活動に敬意を表しています。理事会でもこの法案を説明させていただくつもり。
学術書の話を少し。学術書は中小だけでなく大手からも出されている。大手出版社も公共の役割を果たすために儲からないながらも学術書を出している。赤字覚悟で出している。この予算は大ベストセラーの売り上げを振り向けて出されている。図書館協会に調査結果を出していただいたが、その中で浅田次郎さんの『鉄道屋』が1年間で70万冊も借りられていることがわかった。このことは悪いことではないが、出版社がこの売り上げで学術書を出していることを忘れないでいただきたい。学術書は「売れる本」から出ていることをどうか忘れないでいただきたい。

児玉:何かございましたら。
小峰:学術書や専門書は、いわば「基礎研究」のようなもので、5年から10年かけなければならない。子どもの読書推進法は基本計画があるから動いている。その推進を期待したい。

児玉:決意表明を。
肥田:人が人らしく生きるためには読書は欠かせない。この法案の骨子案を透かしてみると「施策の展開」が見えてくる。この施策はみなさまで実施するもの、協力するもの。心の食料自給率を今問われているので、みなさまと一緒にがんばっていきたい。
河村:推進議連285名のお力を借りて進めていきたい。衆参の文部科学委員会・文教科学委員会で議論していただく。郵政民営化法案の動きで延長するかもしれないが、今国会の会期は6月19日までしかないので、超党派で全員賛成で短期間で上げてもらうことを両委員会の幹部に申し入れている。
公貸権や版面権も、積み残された問題として議論していきたい。この法案を表に出すことで進めていきたい。

[17:20 閉会]

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