西日本新聞の投稿記事

西日本新聞に写真家の島尾伸三さん(「女子高生ゴリコ」の作者のしまおまほさんのお父さんでもあります)が、H21著作権法改正による37条3項の改正について触れた投稿をされていました。

島尾伸三「録音図書 多くの人に恩恵を(本の森)」西日本新聞H21.11.15
http://www.nishinippon.co.jp/nnp/book/column/20091115/20091115_0002.shtml

この投稿の興味深いところは、録音図書を健常者が利用できるようになる、ということを強調なされていることです。

もちろん「健常者」と言っても、「識字能力の低下などで読書をあきらめていた人」や「誰もが等しく年をとり、いつかは視力低下におちいるわけですから」とあるように、高齢による視力低下が進んでいる人、という、改正後の著作権法37条3項にいうところの「その他視覚による表現の認識に障害のある者」の利用のことをおっしゃっているわけですが。

まさに今回の法改正のねらいの一つについて的確に評価されているものといえましょう。

現在、権利者側との間で、改正後の著作権法37条3項の運用のためのガイドライン作りが進んでいると聞きますが、権利者団体の方も、このような著作者の立場にある方からの声も踏まえつつ、より幅広く運用できるような形でのとりまとめをお願いしたいと思います。

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文化庁著作権課が政令案を公表できない理由とは...

前回、著作権法施行令の一部を改正する政令案が現在パブコメ中なのですが、概要のみの公表にとどまり、案文そのものが出されてない、何やってんの文化庁著作権課、と書いたワケですが。

その理由が分かりました。
何でも、法制局との細かい詰めが終わっていないんだそうです。そりゃ外に出せないわな・・・。
細かい詰めを早く終えられて、政令案を早く公表するようお願いしたいものです。

「所要の改正」って言われてもどういう改正されているのかわからないじゃないですか〜文化庁著作権課さん!

あと、他のブログでも言及されているようですが、1箇所誤記らしい箇所があるようです。

「聴覚障害者」と書くべきところ「視覚障害者」と書いてある箇所があります。(I1.(2)の1つ目の○にある「視覚障害者等のために」の箇所)

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政令案公示開始、少し安心...とはいえ...(障害者関係著作権法改正関係)

前々回、以下の投稿をして、せっかく対象施設の範囲が広がるはずが政令の段階で従来どおりの範囲とされるかも、との危惧を表明しました。

「障害者サービス関係著作権法改正の「骨抜き」画策か?」
http://gomame.cocolog-nifty.com/library_copyright/2009/09/post-2b22.html

で、政令案の中身がどうなるのか心配していましたが、結論から言うと、杞憂でした。少し安心...。

ただ、視覚障害者サービス関係では「少し安心」ですが、聴覚障害者サービス関係は、字幕と手話の作成ができる施設の範囲について、ほぼ従来ベースで、公共図書館等が含まれていません。なぜか第2号の映像付きの字幕・手話の作成には含まれているんですが。(国立国会図書館と大学図書館はこちらにも含まれていません。どうなってるんでしょう?)

「著作権法施行令の一部を改正する政令案に関する意見募集の実施について」(e-govのページ)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1010&BID=185000442&OBJCD=&GROUP=

このページに、以下の政令案の概要(PDFファイル)が掲載されていました。
「著作権法施行令の一部を改正する政令案の概要」(e-govのページ)
http://search.e-gov.go.jp/servlet/Public?CLASSNAME=Pcm1030&btnDownload=yes&hdnSeqno=0000058193

以下に障害者サービス関係のところだけ採録しておきます。
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著作権法施行令の一部を改正する政令案の概要

 「著作権法の一部を改正する法律」(平成21年法律第53号。一部を除き、平成22年1月1日施行)の施行に伴い、著作権法施行令について必要な規定の整備等を行う。
(施行期日:平成22年1月1日)

Ⅰ 障害者福祉関係(法第37条第3項、第37条の2)

1.政令委任事項
 改正後の著作権法(以下「法」)第37 条第3項及び第37 条の2では、「障害者の福祉に関する事業を行う者で政令で定める者」が、視覚障害者等向けの録音図書の作成や聴覚障害者等向けの映画字幕の作成等を行うことができる旨規定。

2.改正内容
(1) 視覚障害者等のための複製等が認められる者(法第37条第3項関係)
○ 以下の施設を設置して視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者を一般的に定める。
 ① 児童福祉法第7条第1項の知的障害児施設及び盲ろうあ児施設
 ② 大学・高等専門学校に設置された図書館及びこれに類する施設
 ③ 国立国会図書館
 ④ 身体障害者福祉法第5条第1項の視聴覚障害者情報提供施設
 ⑤ 図書館法第2条第1項の図書館
 ⑥ 学校図書館法第2条の学校図書館
 ⑦ 老人福祉法第5条の3の養護老人ホーム及び特別養護老人ホーム
 ⑧ 障害者自立支援法第5条第12 項に規定する障害者支援施設及び同条第1項に規定する障害福祉サービス事業(生活介護(第6項)、自立訓練(第13 条)、就労移行支援(第14 項)又は就労継続支援(第15 項)を行う事業に限る。)を行う施設

○ その他の条件として、
 ・ ①、④及び⑧を設置する者については、非営利目的の法人に限定。
 ・ ⑤については、司書又はこれに相当する職員として文部科学省令第1条の3で定める職員を置いている図書館に限定。また、その設置主体を地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人に限定。

○ ①~⑧の施設を設置する者のほか、視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人(法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)のうち、「視覚障害者等のための複製又は自動公衆送信を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして
文化庁長官が指定するもの」を定める。

(2) 聴覚障害者等のための字幕等の作成・自動公衆送信が認められる者(法第37条の2第1号関係)
○ 身体障害者福祉法第5条第1項の視聴覚障害者情報提供施設を設置して視覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者(非営利目的の法人に限る。)を一般的に定める。

○ 上記のほか、聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人(法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)のうち、「聴覚障害者等のための複製又は自動公衆送信を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定するも
の」を定める。

(3) 聴覚障害者等のための字幕や手話付きの映画の作成・貸出しが認められる者(法第37条の2第2号関係)
○ 以下の施設を設置して聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う者を一般的に定める。
 ① 大学・高等専門学校に設置された図書館及びこれに類する施設
 ② 身体障害者福祉法第5条第1項の視聴覚障害者情報提供施設
 ③ 図書館法第2条第1項の図書館
 ④ 学校図書館法第2条の学校図書館

○ その他の条件として、
 ・ ②を設置する者については、非営利目的の法人に限定。
 ・ ③については、司書又はこれに相当する職員として文部科学省令第1条の3で定める職員を置いている図書館に限定。また、その設置主体を地方公共団体又は公益社団法人若しくは公益財団法人に限定。
 ・ 全てについて、法第37 条の2第2号の規定の適用を受けて作成された複製物の貸出しを文部科学省令で定める基準に従って行う者に限定。

○  ①~④の施設を設置する者のほか、聴覚障害者等のために情報を提供する事業を行う法人(法人格を有しない社団又は財団で代表者又は管理人の定めがあるものを含む。)のうち、「聴覚障害者等のための複製を的確かつ円滑に行うことができる技術的能力、経理的基礎その他の体制を有するものとして文化庁長官が指定
するもの」を定める。

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というか、政令案の案文自体が未公表なんですけど・・・。案文がなくてどうやって意見を言えっていうんでしょうか、文化庁著作権課さん!

他のところも図書館的には注目しなければならないところがあるので、また投稿します。

追記(2009.11.16)
「第2号の映像付きの字幕・手話の作成」に「国立国会図書館と大学図書館」が含まれていない、と書きましたが、よく読んでみますと、大学図書館は含まれていました。このため、ここの部分を削りました。国立国会図書館が含まれていない事情としては、同館にこのサービスをする意思がないとして同館から要望がなかったということが考えられますので、別に文化庁なりを責める理由にはならないからです。

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『コピライト』誌のH21著作権法一部改正法の解説、越年になります!

 著作権に関する様々な事業を行っている社団法人著作権情報センターが発行する『コピライト』という月刊誌(原則会員のみ頒布の非売品)があります。

 同誌には、同センターが毎月主催する著作権関係の講演会の講演録や、最近の内外の著作権に関する動向の紹介、国内外の著作権に関するトピックの解説記事、判例解説などが掲載されており、著作権を研究している人なんかには必読だったりします。

 そんな同誌の最大の売りの一つに、最近の著作権法改正に関する文化庁著作権課の法規担当者による詳細な解説記事があります。これまでは、法改正の数ヶ月後には必ず掲載されていました(唯一の例外が、H16年法改正のときで、著作権課長による講演録で代用されていました。やはりあの悪評高い(?)H16年法改正だったからでしょうか・・・)。

 それで、今回の法改正でも、当然、その解説記事が載る予定になっており、同誌の6月号(だったと思いますが)にも「10月号に掲載される予定となっている」との予告まで出されていたのでした。

 ところが、11月号になっても掲載されていません。これはいったいなぜ?
 11月号には、山下前課長による講演録が掲載され、その中で若干法改正にも触れられています。しかし、その内容はお世辞にも十分とは言えない内容で、文化庁HPに掲載された法改正の解説を超えないようなシロモノでした。とても、「史上最大の法改正」(by山下前課長)(←うろ覚えなのでちょっと違っていたかもしれません)の内容を理解するのには事足りない内容で・・・。

 で、同センターの知人に、雑談がてら尋ねてみたところ「いやぁ、あれは原稿が出てこないんですよ。困ってるんです」とのこと。つまり、やはり10月号の掲載が予定され、編集部から原稿執筆依頼が文化庁著作権課に出されていたっていうことのようです。

 それで、12月号の校正はもう終わっているので、12月号にも掲載されないことになっている、早くて1月号だ、というのです。

 1月って、もう改正著作権法は施行されているんですけど・・・。
 あんな大規模の法改正について、きちんと解説されないまま施行してもいいんですかね。

 で、やはりその理由は、政令案がなかなか公表されない理由と一致しているんじゃないかと。7月にあれだけ大きな異動をするから、うまく内容の引き継ぎがなされず、その結果として政令案の作成に時間がかかっている、と。(余談ですが、11月号の講演録で山下前課長が「もっとやりたかったのに異動になった」みたいなことを発言されていたのですが、この異動には何かウラがあったのでしょうか)

 漏れ聞く話によると、現在の文化庁著作権課の幹部が今回の法改正の中身について批判的で、そのために6月の法改正の趣旨に沿った政令案を作成することに消極的ということもあるようです。このまま政令も1月1日に間に合わなかったりすると、いったいどうするつもりなんでしょうかね、文化庁著作権課さんは。

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障害者サービス関係著作権法改正の「骨抜き」画策か?

長らくごぶさたしてます。変なコメントがいっぱいついていたので消すのに苦労しました・・・。
最終投稿から2年以上も経過していたんですね。ううむ。

久しぶりに投稿したいできごとがあったので、投稿しました。

この前の通常国会で、著作権法の大改正があったことはご存知の方も多いかと思います。
その中でも画期的だったのは、37条3項と37条の2の改正で、この改正によって障害者サービスが大改善される見込みでした。国会会議録を見ても、前向きな回答がありました。

しかし!そんなことを忘れさせるような「骨抜き」が事務方である文化庁著作権課が画策しているようなのです。これは大問題です。

あるきっかけで入手した「照会文書」(どうも障害者団体や図書館団体などに照会しているようですが、よくわかりません)です。いちおう全文掲載します。(著作権法第13条第2号該当と判断)

ごらんいただきたいのは、「注2」です。これによって、文字の音声化や拡大等のサービスを無許諾で行い得る主体が現行のものとほとんど変化がないということになり、今回の改正の意味の大部分が没却されることになります。こういうことを「官僚主導」で行うというのはどういうことでしょうか。国会答弁の趣旨からも大きく反するこのような動きは、問題ではないかと思います。

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著作権法施行令の一部を改正する政令案(障害者関係権利制限関係)に関する事項について(照会)

平成21年9月16日
文化庁著作権課

 平素より大変お世話になっております。
 著作権法の一部を改正する法律による改正後の著作権法第37条第3項又は第37条の2第1号若しくは第2号に関し、「政令で定めるもの」の指定を希望する事業者がある場合は、それぞれについて、以下の事項について、9月25日までにご回答願います。
 ご回答は政令指定の対象範囲を検討する際の参考とさせていただきますので、可能な限り具体的なものとなるようお願いいたします。また、必要に応じて追加の照会することもありえることを、予め申し添えます。

① 指定を希望する「障害者の福祉に関する事業を行う者」 ※注1
② 当該事業者が「視覚障害者等の福祉に関する事業」を行うものであることを示す根拠(法令(条例含む)、定款、その他文書により定められたもの)及び根拠がある場合はその具体的内容(該当箇所の引用又は原本の写しの提出をお願いいたします。)
※注2
③ 現在実施している視覚障害者等又は聴覚障害者等を対象とする著作物の作成・提供に関する事業の状況
 i 対象者(どのような利用者が対象か)
 ii 対象障害種
 iii 事業内容
 a 対象著作物の種類
  b 事業の具体的内容
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ どのような場面でどのような著作物利用が必要となるのか。
   ・ 翻案を行うか否か。行う場合はその具体的内容。
  c 事業実績
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ 作成又は提供をした著作物の複製物種類及び数
   ・ 情報提供を行った障害者数
 iv 利用者が視覚(又は聴覚)による表現の認識に障害のある者であることの確認方法及び利用者の登録制度の導入の有無
 v その他、目的外使用、出所の明示、同一性保持権等に係る規定に従い法令を遵守した著作物利用を行うための体制について。
  以下の点を含め、具体的に記入願います。
    ・ 法令を遵守した著作物利用のためのガイドライン等の策定の有無及びその具体的内容
④ 今後政令指定を受けた際に実施を予定している視覚障害者等又は聴覚障害者等を対象とする著作物の作成・提供に関する事業の内容について
 i 対象者(どのような利用者が対象か)
 ii 対象障害種
 iii 当該事業者の利用者として想定される障害者数の規模及びそれを示す根拠資料
 iv 事業内容
 a 対象著作物の種類
  b 事業の具体的内容
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ どのような場面でどのような著作物利用が必要となるのか。
   ・ 翻案を行うか否か。行う場合はその具体的内容。
  c 事業予定
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ 作成・提供をした著作物の複製物の種類及び数
   ・ 情報提供を行う障害者数
 v 利用者が視覚(又は聴覚)による表現の認識に障害のある者であることの確認方法及び利用者の登録制度の導入の有無
 vi その他、目的外使用、出所の明示、同一性保持権等に係る規定に従い法令を遵守した著作物利用を行うための体制について。
  以下の点を含め、具体的に記入願います。
    ・ 法令を遵守した著作物利用のためのガイドライン等の策定の有無及びその具体的内容
⑤ 現在、事業を実施していない事業者については、今後、新たに事業の実施が必要となる理由。
   (現在、例えば、視覚障害者関係では、(社)日本文藝家協会と(社)日本図書館協会との間許諾契約により、視覚障害者等向けの録音図書の作成が可能となっていると承知しています。また、聴覚障害者関係では、(福)聴力障害者情報文化センターと各権利者団体との許諾契約により、映画や放送番組への字幕付与サービスの実施が可能となっていると承知しています。これらのような取組を行っている事業者は、今後も、事業実施の必要性が相対的に高いとも考えられることから、念のため確認するものです。)

注1: 事業について法令上の根拠が異なる毎に、別々に回答願います。例えば、図書館法第2条1項の図書館、図書館法29条の図書館類似施設は別々の取扱とすることとなります。
注2: 例えば、単に国民又は市民全体を対象として事業を行う旨が定められているのみの場合は、これに該当するとは認められないものと取扱います。

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照会日付が9月16日で、シルバーウィークが間にあることを考えると実際の検討に費やせる日が5日間しかないというのも非常に問題だと思いますし・・・。やる気あるんでしょうか。

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中山先生、「横浜方式」を正面から肯定です!

またまたおひさしぶりです。

昨日、中山信弘先生による待望の著作権体系書である『著作権法』(有斐閣、2007.10)を買いまして、早速読んでみました。ううむ、スゴい。引き込まれるように読んでいきました。

で、一番ビックリしたのが、次の記述。
「なお、図書館の利用者が自主的にコイン式複写機を用いて複製する行為は、条文を素直に読む限り、それが私的使用目的であれば30条により侵害とはならないと考えられる。つまり図書館での複製機器は30条1項1号の自動複製機器を用いた複製に該当するが、附則5条の2により文書・図画については適用除外とされているからである。もしこのような解釈を採れば、図書館自身は31条1項1号の複製しかできないが、利用者が図書館による管理を離れて主体的に複製する場合は、30条の要件を満たす限り全部の複製が可能ということになる。しかしこれでは31条1項1号の趣旨が逸脱されてしまうので、図書館においては31条が優先するという解釈もありうる。ただ、そのように解釈したとしても、利用者は一歩図書館を出れば街のコピー屋で全部複製ができるため、資料の館外貸出しを受けて複製するようになるだけであろう。このような問題はどのような解釈をしても問題は残るであろう」(pp.254-255)

これってつまり、「どうせ館外貸出しで全部コピーされるんだから、館内で30条コピーすることを認めても同じ」って見解ですよね〜?
現職の法制問題小委主査の見解ですから、結構影響大きいと思うんですが・・・。権利者側の反応が気になるところです。

〔2007.10.14, 22:00 中山先生の著書中の引用ページを補記〕

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図書館と著作権に関する新刊案内

 日本図書館協会著作権委員会編による『図書館サービスと著作権』(図書館員選書・10)の改訂第3版が出ました。(1680円)
 amazonに掲載された「「MARC」データベース」の内容案内では「図書館の立場で複写等の問題を具体的に解説。現場の参考書として使える解説書。構成を再編した改訂第3版」とそっけなく紹介されています(初版から解説文がほとんど変わっていません。改訂版以降全然違う内容になったのに・・・)が、実際には、付録がかなり充実していて、著作権法31条に関する2つのガイドライン、著作権審議会第四小委員会報告書の抜粋、多摩市立図書館事件の東京地裁判決の抜粋、上映会関係の文書、公共図書館における録音図書作成関係の文書まで収録されています。ここまで収録されている解説書は他になく、解釈の根拠を探し出すにはとても便利です。
 ご参考までに目次を掲げておきます。

第1章 図書館業務と著作権
1.1 図書館と著作権
1.2 資料と著作物
1.3 図書館業務と著作権法の関連事項
第2章 著作権の諸概念
2.1 著作物
2.2 著作者
2.3 著作者に与えられる権利(1) 著作者人格権
2.4 著作者に与えられる権利(2) 著作(財産)権(狭義の「著作権」)
2.5 著作権の発生と消滅(保護期間)
2.6 著作権の制限(自由に利用できる場合)
2.7 もう一つの権利---著作隣接権について
2.8 外国の著作物の保護
2.9 罰則
2.10 著作物を利用するための方法
第3章 図書館業務と特に関係する規定
3.1 図書館等の複製(法31条)の規定
3.2 点字等による複製(法37条)の規定
3.3 非営利・無料による上演等(法38条)の規定
第4章 利用形態別の解説
4.1 閲覧(法22条の2、38条1項)
4.2 複写
4.3 貸出
4.4 無料上映会・レコードコンサートの実施
4.5 障害者サービス
4.6 新刊案内等における本の表紙等の利用
第5章 著作権調査と著作権処理
5.1 著作権調査と著作権処理の流れ
5.2 著作物の特定
5.3 著作物の著作者の特定と保護期間の算定
5.4 著作権の帰属の調査
5.5 著作権者との交渉
5.6 文化庁長官の裁定の手続
付録A 公貸権制度
付録B 著作権法令など
B-1 著作権法
B-2 著作権法施行令(抄)
B-3 著作権法施行規則(抄)
B-4 著作権法関係告示一覧
B-5 戦時加算関係
B-6 著作権審議会第四小委員会(複写複製関係)報告書
B-7 多摩市立図書館事件判決
B-8 著作権法第31条関係ガイドライン
B-9 上映会関係文書
B-10 録音図書作成関係文書

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31条図書館の新規指定がありました。(平成19年5月21日官報掲載)

みなさま、ごぶさたしております。
もうだいたい20日くらい経過しておりますが、まったくと言っていいほど取り上げられていないようなので、ネット上の検索の便も考えて、紹介記事を書きます。

著作権法31条では、一定の要件を満たせば、図書館等において著作権者の許諾なしに複製を行えることとしていますが、その図書館等の範囲については著作権法施行令1条の3において限定的に定められています。この政令では、この図書館等として、国立国会図書館、図書館法2条1項の図書館、大学・短大・高専図書館、国立大学校図書館、博物館等の図書館、一般公衆に開放している国公立研究所の図書館、そして、これらに準ずる図書館等として文化庁長官が指定する施設の7種類の施設を定めています。

この最後の種類の図書館ですが、昭和60年に指定されて以来、新規の指定は実質的にはなされておらず、その理由としては日本複写権センターの設立による文献複写の集中処理システムの整備が挙げられていましたので、新規の指定は実際上困難であると認識されていました。

それが、約20年ぶりに、山階鳥類研究所(あの紅白歌合戦でかつて票数を数えていた団体です(よね?))の資料室が、31条図書館として指定されたのです。なお指定日は、平成19年4月27日となっています。

これまでの文化庁著作権課の方針からみて新規指定はかなり困難と見られていましたが、何か方針の変更でもあったのでしょうか??興味が湧くところです。

以下にこの指定を行った旨を公告した文化庁告示の全文を掲げておきます。
(出典)官報第4586号〔平成19年5月21日付け〕第5面
http://www.kantei.go.jp/jp/kanpo/may.4/km0521ee.html

○文化庁告示第九号
 著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号)第一条の三第一項第六号に基づき、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十一条の図書館資料の複製が認められる施設として、次に掲げるものを平成十九年四月二十七日付けで指定したので、同令第一条の三第二項に基づき告示する。
 平成十九年五月二十一日
           文化庁長官 青木 保
財団法人山階鳥類研究所資料室

※ 肝心の最後の1行が欠落していました。申し訳ございません。okeydokeyさんのトラックバックによるご指摘を受けまして、加筆いたしました。okeydokeyさん、ありがとうございました。

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三田さん、無断撮影はやめてくださいね。

3月1日付けの投稿で文化審議会著作権分科会を取り扱いました。そのときには、zfylさんのメモを参考に書きましたが、実は私、この分科会を傍聴していたのです。で、三田さんのあの発言とか権利者団体のあの発言とかも全部聴いていました。

これについては他のブログでも扱われているのでいいんですが、ひとつだけ大事なことに触れられていないのに気づいたので、遅くなりましたが紹介させていただきます。

午前11時20分、一般傍聴者の入場が許され、私を含めた約20人ほどの人が入場し、着席したのです。そのとき、あの三田誠広さんが、突然デジカメを取り出し、パシャパシャ撮影するではありませんか!もちろん一般傍聴者の席にも容赦なく!三田さんに肖像を無断撮影される謂われは無いので、私はとっさに人影に隠れましたが、他の人はしっかり撮影されていたと思います。文化庁の人も他の委員もいっさい止めようとはしませんでした。

三田さんは日頃からよく、権利を大切にしようという趣旨のことをおっしゃっていますが、人のプライバシーのことをどう考えているんでしょうか。人の権利はどうでもいいんでしょうか。本当にいい加減にしてほしいです。

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【小ネタ】米農務省報告書の仮訳が出ましたが・・・

米国農務省 日本向け牛肉輸出証明プログラムに関する調査結果・対策報告書(仮訳)
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20060303press_1b.html

これ、許諾とってるんですかね。
日本国政府の著作権意識が試されます(w

※政府の報告書にも著作権の保護が及びます(竜渓書舎事件判決)し、この行為については権利制限の対象とは思えません。米著作権法では連邦政府の著作物は著作権の保護を受けないこととなっています(米著作権法105条)が、当時の下院報告書によれば、この扱いは米国内のみであり、外国の場合には及ばないこととされています。
なので、この報告書を翻訳し、ネットで流すためには、翻訳権、複製権及び公衆送信権に係る許諾をアメリカ合衆国政府から得なければはずなのですが・・・

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