中山先生、「横浜方式」を正面から肯定です!

またまたおひさしぶりです。

昨日、中山信弘先生による待望の著作権体系書である『著作権法』(有斐閣、2007.10)を買いまして、早速読んでみました。ううむ、スゴい。引き込まれるように読んでいきました。

で、一番ビックリしたのが、次の記述。
「なお、図書館の利用者が自主的にコイン式複写機を用いて複製する行為は、条文を素直に読む限り、それが私的使用目的であれば30条により侵害とはならないと考えられる。つまり図書館での複製機器は30条1項1号の自動複製機器を用いた複製に該当するが、附則5条の2により文書・図画については適用除外とされているからである。もしこのような解釈を採れば、図書館自身は31条1項1号の複製しかできないが、利用者が図書館による管理を離れて主体的に複製する場合は、30条の要件を満たす限り全部の複製が可能ということになる。しかしこれでは31条1項1号の趣旨が逸脱されてしまうので、図書館においては31条が優先するという解釈もありうる。ただ、そのように解釈したとしても、利用者は一歩図書館を出れば街のコピー屋で全部複製ができるため、資料の館外貸出しを受けて複製するようになるだけであろう。このような問題はどのような解釈をしても問題は残るであろう」(pp.254-255)

これってつまり、「どうせ館外貸出しで全部コピーされるんだから、館内で30条コピーすることを認めても同じ」って見解ですよね〜?
現職の法制問題小委主査の見解ですから、結構影響大きいと思うんですが・・・。権利者側の反応が気になるところです。

〔2007.10.14, 22:00 中山先生の著書中の引用ページを補記〕

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31条図書館の新規指定がありました。(平成19年5月21日官報掲載)

みなさま、ごぶさたしております。
もうだいたい20日くらい経過しておりますが、まったくと言っていいほど取り上げられていないようなので、ネット上の検索の便も考えて、紹介記事を書きます。

著作権法31条では、一定の要件を満たせば、図書館等において著作権者の許諾なしに複製を行えることとしていますが、その図書館等の範囲については著作権法施行令1条の3において限定的に定められています。この政令では、この図書館等として、国立国会図書館、図書館法2条1項の図書館、大学・短大・高専図書館、国立大学校図書館、博物館等の図書館、一般公衆に開放している国公立研究所の図書館、そして、これらに準ずる図書館等として文化庁長官が指定する施設の7種類の施設を定めています。

この最後の種類の図書館ですが、昭和60年に指定されて以来、新規の指定は実質的にはなされておらず、その理由としては日本複写権センターの設立による文献複写の集中処理システムの整備が挙げられていましたので、新規の指定は実際上困難であると認識されていました。

それが、約20年ぶりに、山階鳥類研究所(あの紅白歌合戦でかつて票数を数えていた団体です(よね?))の資料室が、31条図書館として指定されたのです。なお指定日は、平成19年4月27日となっています。

これまでの文化庁著作権課の方針からみて新規指定はかなり困難と見られていましたが、何か方針の変更でもあったのでしょうか??興味が湧くところです。

以下にこの指定を行った旨を公告した文化庁告示の全文を掲げておきます。
(出典)官報第4586号〔平成19年5月21日付け〕第5面
http://www.kantei.go.jp/jp/kanpo/may.4/km0521ee.html

○文化庁告示第九号
 著作権法施行令(昭和四十五年政令第三百三十五号)第一条の三第一項第六号に基づき、著作権法(昭和四十五年法律第四十八号)第三十一条の図書館資料の複製が認められる施設として、次に掲げるものを平成十九年四月二十七日付けで指定したので、同令第一条の三第二項に基づき告示する。
 平成十九年五月二十一日
           文化庁長官 青木 保
財団法人山階鳥類研究所資料室

※ 肝心の最後の1行が欠落していました。申し訳ございません。okeydokeyさんのトラックバックによるご指摘を受けまして、加筆いたしました。okeydokeyさん、ありがとうございました。

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三田さん、無断撮影はやめてくださいね。

3月1日付けの投稿で文化審議会著作権分科会を取り扱いました。そのときには、zfylさんのメモを参考に書きましたが、実は私、この分科会を傍聴していたのです。で、三田さんのあの発言とか権利者団体のあの発言とかも全部聴いていました。

これについては他のブログでも扱われているのでいいんですが、ひとつだけ大事なことに触れられていないのに気づいたので、遅くなりましたが紹介させていただきます。

午前11時20分、一般傍聴者の入場が許され、私を含めた約20人ほどの人が入場し、着席したのです。そのとき、あの三田誠広さんが、突然デジカメを取り出し、パシャパシャ撮影するではありませんか!もちろん一般傍聴者の席にも容赦なく!三田さんに肖像を無断撮影される謂われは無いので、私はとっさに人影に隠れましたが、他の人はしっかり撮影されていたと思います。文化庁の人も他の委員もいっさい止めようとはしませんでした。

三田さんは日頃からよく、権利を大切にしようという趣旨のことをおっしゃっていますが、人のプライバシーのことをどう考えているんでしょうか。人の権利はどうでもいいんでしょうか。本当にいい加減にしてほしいです。

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【小ネタ】米農務省報告書の仮訳が出ましたが・・・

米国農務省 日本向け牛肉輸出証明プログラムに関する調査結果・対策報告書(仮訳)
http://www.maff.go.jp/www/press/cont2/20060303press_1b.html

これ、許諾とってるんですかね。
日本国政府の著作権意識が試されます(w

※政府の報告書にも著作権の保護が及びます(竜渓書舎事件判決)し、この行為については権利制限の対象とは思えません。米著作権法では連邦政府の著作物は著作権の保護を受けないこととなっています(米著作権法105条)が、当時の下院報告書によれば、この扱いは米国内のみであり、外国の場合には及ばないこととされています。
なので、この報告書を翻訳し、ネットで流すためには、翻訳権、複製権及び公衆送信権に係る許諾をアメリカ合衆国政府から得なければはずなのですが・・・

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文化審議会著作権分科会(第18回)開催(3/1)

本日、文化審議会著作権分科会の第18回会議が開催されました。
zfylさんが早速議事資料や議事メモをアップなされていらっしゃいます。いつもありがとうございます!
早速参照させていただきます。

「文化審議会著作権分科会(第18回)」(zfyl)
http://nirvana.blog1.fc2.com/blog-entry-55.html

この会議では、各小委員会の委員に誰が就任するかが第一の注目点で、ユーザ側としては、権利者ゴリゴリの方々に入られても大変困るわけです。
資料1の名簿を確認しますと、分科会長に野村先生、副分科会長に中山先生が就任なされたということは、その点から言っても安心でした(が、この段階で中山先生の法制小委主査の芽がなくなったという懸念材料が)。
次に、法制小委の名簿をチェック。お!何だかシェイプアップされた感じが。
抜けた委員:石井紫郎(東大名誉教授)、加藤さゆり(全国地域婦人団体連絡協議会事務局長)、小泉直樹(慶大教授)、里中満智子(漫画家)、中村伊知哉(スタンフォード日本センター研究所長)、浜野保樹(東大教授)、前田哲男(弁護士)、山地克郎(SOFTIC専務理事)、山本隆司(弁護士)
新加入委員:青山善充(明大教授)、道垣内正人(早大教授)

法学者以外の有識者を全部落として(加藤委員、里中委員、浜野委員、山地委員)、権利者寄り・ユーザー寄りの弁護士をひとりづつ外して(前田委員、山本委員)、残りは石井委員、小泉委員、中村委員を青山委員・道垣内委員にチェンジ?
この機を狙って米著作権法に詳しい山本委員と小泉委員を外したとか??ううむ。
あ、残留は、大渕哲也(東大教授)、潮見佳男(京大教授)、末吉互(弁護士)、茶園茂樹(阪大教授)、土肥一史(一橋大教授)、苗村憲司(情報セキュリティ大学院大学教授)、中山信弘(東大教授)、松田政行(弁護士、青学大教授)、村上政博(一橋大教授)、森田宏樹(東大教授)です。このほか東京地裁の判事が別枠で1名いて、計13名です。

次。
いよいよ今回から始まる私的録音録画補償金制度の抜本的見直しですが、それを扱うのが新設の「私的録音録画小委員会」です。委員は、権利者側が6名(NHK、映画製作者、音楽著作者、実演家、レコード会社、民放連)、製造業者側が3名(媒体1、機器2)、ユーザ側が2名(消費者団体、津田大介氏)、法学者7名(大渕、小泉、土肥、苗村、中山、松田、森田)の計18名となっています。
津田氏が入っているのがとても心強いですが、権利者側6名に権利者寄り学者が少なくとも2名(苗村、松田)。やや劣勢といったところでしょうか。主査に誰が付くかが焦点になりそうです。ここで松田委員にでもなったら、結果は火を見るより明らかです。

zfylさんのメモを読むと、三田さんがまたトンデモ発言をしたようですね。
引用させていただきますと、「ご承知のように、フランスの場合、著作権期間が70年である。しかし日本は50年で、すると、日本で外国の作家の本を出す場合も、50年で切れてしまう。フランスその他の諸外国で著作権が生きている作家の本が、50年で日本ではフリーになってしまう。この状況というのは、世界的に見ると非常に恥ずかしい事態ではないか。政府や文化庁は日本で作られた各種著作物がアジアではかなりフリーで使われているということを問題視しているが、実際に日本だけ50年とやっていると、世界から取り残されてしまうという気がする。早急に検討していただきたい」

・・・「野蛮」発言の後は、「非常に恥ずかしい事態」ですか。
もういい加減にしてほしいです。
そして、アジアなんかの海賊版とパブリック・ドメインを同一視。ふざけるなと言いたい。
そのあと、青空文庫のような利用を円滑化するためにも裁定制度の円滑化が必要とか一見ユーザフレンドリーなことを言っていますが、これは単に保護期間延長の方便でしかありません。

どこかでこういう構図を見たような気が。
そうです。あの「図書館の今後についての共同声明」(平成17年11月8日)です。
「図書館の今後についての共同声明」(平成17年11月8日)[日本文藝家協会ウェブサイト]
http://www.bungeika.or.jp/200511seimei-toshokan.htm

そこでは3つの要望事項が掲げられていて、最初が「図書館予算の増大」、次が「専門知識をもつ図書館司書の増員」と、図書館の発展を心から願っているような要望が並んでいるのですが、最後に「国家または公的機関による著作者等への補償制度の確立」という、ホンネがドドーンと出てきます。
結局、図書館の発展なんて「取引材料」にしか過ぎないのです。

今回の三田さんのご発言は、このような三田さんのメンタリティどおりのものだったので、ある意味感心しました。というか、呆れました。もう少し視野を広げて文化の発展とか考えたらどうなのよ、と言いたいです。まぁ、書籍団体の親玉よりはマシですが。

次回以降、舞台は2つの小委員会に移され、法制小委ではIPマルチキャストが、私的録音録画小委では私的録音録画補償金制度の見直しが、それぞれ審議されることになると思います。特にIPマルチキャストは知財推進本部マターですから、権利者団体は今度は「抵抗勢力」になるわけで、攻守逆転です。今後の成り行きが期待されるところです。

・・・というか、保護期間延長は審議しないんでしょうかね。
米著作権法に詳しい小泉教授と山本弁護士を体よく追っ払って、法制小委で突破を狙っているんでしょうか。
いずれにせよ、今回の小委員会からも目が離せませんね。

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予備的調査報告書、提出さる(2/10付け)

当ブログでしつこく取り上げていますこの教育と著作権関係の予備的調査ですが、ついに報告書が衆議院文部科学委員会に提出されたとのことです。
2/17付けの衆議院文部科学委員会議録より該当箇所を抜粋します。
-----------------------------------------------
○遠藤委員長 御報告いたします。
 昨年十一月一日、調査局長に命じました知的財産権保護に関する施策と教育現場における著作権保護に関する予備的調査につきまして、去る十日、報告書が提出されました。
 なお、報告書につきましては、同日、私から議長に対し、その写しを提出いたしました。
-----------------------------------------------
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm

となりますと、中身がとても気になるところですが、衆議院HPには掲載されていない模様。ビジュアル著作権協会のHPにも、提出者の前田雄吉議員の公式HPにも掲載がありません。

この報告をもとに、ビジュアル著作権協会は何かアクションを起こすのでしょうか?
今後の展開が気になるところです。

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文科省、今通常国会での著作権法一部改正断念

そういうウワサは巷で流れていることは耳にしていましたが、やっぱり文科省は今通常国会で著作権法の一部改正法案を提出しないようです。

通常国会予定法案について(文部科学省関係)
http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/01/06022114.htm

せっかく権利制限規定関連の法改正が行われるのかと期待していましたが、残念です・・・。
権利者団体の意向を気にしたのか、はたまた教育基本法案の審議日程を確保するためなのかはわかりませんが、一刻も早い提出が望まれます。(まさか保護期間延長とか私的録音録画補償金制度へのiPod指定とバーターってことはないですよね、文科省さん!)

※この資料は平成18年1月20日付けですが、ネットに掲載されたのは最近のようです。このファイルのURLからみて、約1ヵ月後の2月21日にアップされたみたいですね。

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親愛なる「正義の味方」さまへ

正義の味方 さま、コメントありがとうございます!
こんな昔の投稿にもかかわらず、コメントをくださってとても感謝してます。

文体や内容等を推察するに、以前ご投稿くださった「とおりすがり」さんと同一のお方でしょうか??ぶっきらぼうで図書館側に冷たいような文章なのですが、どこか図書館側を励ましているように感じられて、とても好感を覚えています。

私も多分、「役所や審議会」が、今回あのような検討結果を出したのも、図書館側の以上のような活動が足りないために、法改正の応援団が一人もいなかった、すなわち、「役所や審議会」に、「この法改正は必要ですよ」と働き掛けをする「(別の)役所」や国会議員がいなかった、というところに原因があると考えています。そして、こういう「(別の)役所」や国会議員がいなかったのは、図書館側が、これらの「(別の)役所」や国会議員に、その必要性を理解してもらえなかった(というか、理解してもらうような活動をしなかった)ということに原因があるのでは、とも考えています。

例えば今回法改正が適当とされた特許・薬事関係や障害者福祉関係の権利制限には、特許庁や厚生労働省という後ろ盾がありました。また、あれだけ政令指定されると言われたiPodについても、JEITAという強力な業界団体と経産省が後ろ盾にあったから、政令指定が行われなかったのではないかと考えます。

聴くところによりますと、議員立法の場合も含め、何かの制度を新たに法律でつくるためには、かなり強力な運動を行う必要があるのだとか。個人的にはかなり拙速に行われた印象のある附則4条の2の削除の際も、権利者側はかなりの運動を行ったように思えます。それに比べ、今回図書館側はほとんど運動らしい運動を行わずに法改正の要望を出したので、本来味方になってくれるはずの文科省も及び腰だったわけですし、味方になる議員なんて一人もいません。そりゃ、「役所や審議会」が図書館関係の法改正の要望をあのように軽く扱うのも何となくわかるような気がします。味方になってくれる役所や議員団がいれば、あのような報告書をつくったら「何だあの内容は」っていうクレームがつくので説明責任を果たさなければならないことになりますが、そういう存在がなければ、何食わぬ顔であんな報告書を書いても平気ですからね。

まぁ、いずれにしても、今までは役所当局や与党議員を敵扱いする体質であったと思われる図書館界も、こういう人たちを味方にするように運動方針を見直す時期になっているような気がします。

正義の味方さま(とおりすがりさま?)、もしよろしければ、またコメントをよろしくお願いいたします。

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法制小委(第9回)の議事録が(pdfですが)公表

本日(2005.12.1)は、今期最終となる法制小委員会(第10回)が開催される日です。
そんなわけで(?)、前回の第9回の議事録が、pdfではありますが(w ようやく公表されました。

6 議事録(pdf:136KB)
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/05111401/003.pdf

もちろん、あの図書館側提案がポシャるきっかけとなった、甲野課長の「思い込み」が「図書館関係者の意向」として語られる箇所もバッチリ載っています(当たり前ですが・・・)。

そういえば、明日の図書館総合展で甲野課長がご講演をなされるんでしたよね。
以下はサンメディアさんのウェブサイトの「お知らせ」欄(http://www.sunmedia.co.jp/)から転載。

12月2日(金)第4会場
(10:30〜12:00)
フォーラム内容
「著作権法改正と図書館:パ−ト2」
講師:甲野正道氏(文化庁長官官房 著作権課長)
コーディネーター:長縄 友子氏(味の素(株)ライフサイエンス研究所)
「文化審議会著作権分科会法制問題小委員会」では、著作権法改正に向けての議論を行ってきましたが、その報告書案がまとまりました。今回の法改正では、特許や薬事法、図書館、教育分野での権利制限、デジタル録音機器を対象とした私的録音録画補償金制度の見直しなどが焦点となっています。甲野課長からは最新の著作権改正動向のご報告をいただきます。

まさにタイムリーな企画!
いったいどんな話をするのでしょう。第9回の会議で図書館関係者から怒りの目が向けられているでしょうに・・・。
どなたか傍聴記でも書いてくれないかなぁ・・・

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著作権法第三十七条第三項の著作物等の録音が認められる施設の指定の件(平成17年文化庁告示第23号)

視覚障害者がもっぱら進学する大学の附属図書館のうちで著作権法37条3項(視覚障害者への貸出しのための録音図書を無許諾で作成できるという規定)の適用を受けることができる図書館については、文化庁長官が指定することとされており(著作権法施行令第2条第2項)、これまでは唯一、筑波技術短期大学視覚部図書館のみが指定されていました。

ところが、同短期大学は、今年の国立大学法人法(*)の改正により、四年制大学に昇格し、今年(2005年)10月1日から「筑波技術大学」となることとなりました。

それで、この指定がどうなるのかな、と思っていたら、今年の10月13日付けの官報に「著作権法第三十七条第三項の著作物等の録音が認められる施設の指定の件(文化二三)」というものが掲載されていました。多分この告示で新大学である筑波技術大学附属図書館視覚障害系図書館が指定されているのではないかと思います。(手元に官報がないので確認できず・・・)

【追記】トオリスガリさんに官報に掲載された告示全文をアップしていただいたので、やっぱりこの告示(2005年10月13日付け)により筑波技術大学附属図書館視覚障害系図書館が、同大学発足日である2005年10月1日付けで指定されていたことがわかりました。

(*)net surferさんのご指摘を受け、「学校教育法」を「国立大学法人法」に訂正しました。(2006.2.5 23:46)

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「予備的調査」の内容を推察すると。

つづきです。
以上の調査により明らかになったのは、

「予備的調査」は、日本ビジュアル著作権協会の息がかかった「知的財産権を守る議員連盟」が中心となって出されたものと推測できる、

ということです。
そうすると、この予備的調査の内容は、教材が教育現場でどう使われているのか、とか、教育現場できちんと著作権保護がされているのか、とか、外国で教材の著作権関係がどうかとか、外国では教科書補償金制度があるのかとか、そういうことなのでしょうか。日本ビジュアル著作権協会の主張や前田議員のインタビューなんかを読むとそんな感じがします。

ひょっとして、来期の法制小委では、このあたりが議論になるのかもしれませんね。
また権利制限の縮小の議論ですか。もうやってられませんね。
とはいえ、図書館には累が及ばないので、少しはましかもしれませんが・・・

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「知的財産権を守る議員連盟」ってあるんですね。

つづきです。
で、前のページにすると、
「【ニュース】知財保護へ議員連盟が発足(5月31日)」っていうページへ。

今年の3月11日に「知的財産権を守る議員連盟」が発足したらしい。結成集会には国会議員や作家
法律家など計50人が参加したらしい。
発起人は、海部俊樹元首相(自民)、羽田孜元首相(民主)、鳩山由紀夫民主党元代表、大田昌秀参議院議員(社民)だそうです。超党派の大物議員ぞろいですねぇ。国内の知財を保護する法律を整備し、「知財立国」を促進するのが発足の趣旨だとか。菅直人議員もメンバーだそうです。
前田議員のあいさつ、すごいですよ。利用者側の立場をとられるブロガーさん、卒倒なされないようにご注意を。
「3000万人がネットを使う時代に、著作権をいかに守っていくか大きな課題」うゎ〜!!権利者がぶり寄りじゃないの。
次。樽井良和議員「任天堂はかつてゲームソフトを米国企業にコピーされたとして裁判で徹底的に闘い、ディズニーもキャラクターを無断使用されたとして新宿の闇社会を相手に闘った。こういう会社が伸びている」あの・・・任天堂ってかつてはバリバリコピーしまくりだったんでしょ?ディズニーも闇社会だけじゃなくって保育園なんかにクレームかけまくり、ロビイングで保護期間も延長しまくったでしょ。ああ、だめだこりゃ。

少し前、「われらエンタメ族」なんていう記事で、レコード輸入権導入をめぐって公取を脅していた「知財族」の様子が紹介されたことがありましたが、こういう「知財族」の牙城がまた誕生したんですね。民主党エンタメ議連が風前の灯状態の中、またしても権利者寄りの族議員が登場してしまいました。ああ、おそろしや。

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やっぱりビジュアル著作権協会か!?

先のエントリで、「知的財産権保護に関する施策と教育現場における著作権保護に関する予備的調査申請書」についての情報キボンヌって書きましたが、あっさり分かりましたので報告します。

やっぱり「日本ビジュアル著作権協会」がらみのようです。
提出者である前田雄吉議員の氏名と著作権ということで「前田雄吉 著作権」とググってみたら・・・。
一番トップに「日本ビジュアル著作権協会」のサイトが表示され、クリックしてみると、
「【インタビュー】教育現場における著作権問題の重大さ(5月31日)」という、同協会のニュースサイトの一ページに飛び、「著作権問題を中心に議連事務局長の前田雄吉氏に聞いた」っていう記事が現れます。

「議連」って?という疑問はさて置き、読んでみますと・・・
・著作権の問題が発生したから本文を載せないという教材が多く載せられている。これでは子どもたちがまともに勉強できない。
→日本ビジュアル著作権協会のやり方に問題があるのでは?
・教材会社を束ねる団体に多くの文科省OBが天下っている。これは癒着だ。
→著作権と無関係では・・・?
・教材会社にも著作権料を支払って作品を使いたいところもあるのに、こうした構造に縛られている。
→「こうした構造」って、何??文科省OB天下りと関係アンノ?
・こうした状況を変えるため、議連では教材会社を読んでヒアリングをし、委員会質問などを活用して著作権法改正などに取り組みたい。
→現行法でも作家は著作権で保護されているので、この改正って教材会社の有利なような改正でしょうか?でもその前に「癒着」とか言っていますので、教材会社寄りの活動をするのはおかしいか。だったら何をしたいんでしょう?ハテ?
・それともうひとつ、作家の皆さんにもぜひ声を掛けていただきたい。現状をかえる大きな力になるから。
→やっぱり教材会社寄りか。ひょっとしてこの改正って、教材会社が作品を無断使用したら罰則を厳しくするっていう内容かもしれませんね。

とまぁ、よくわからないインタビューでしたが、次はこの「議連」とは何かを調べるため、このページの「前のページ」というボタンをクリック。すると・・・
「三木卓さん、富山和子さんが著作権侵害の実態を報告(5月31日)」という記事が。

そこには、おそるべきことが書かれていました。
三木卓さんの作品が問題集でズタズタになっている、という「告発」が!
(問題なんだから仕方ないのでは??同一性保持権の例外規定を削れっていうのでしょうか)
それはいいとして、富山和子さんの「告発」って、教科書補償金制度が安すぎるっていう内容。これって「著作権侵害」じゃないですよ(笑)

そして、一連の教材訴訟の「黒幕」である藤原弁護士による「経緯と現状」が。
いやぁ、すごい。
東京高裁の裁判官が「教科書で使われている作品が教材で使えないのはおかしい」と言ったのを「日本人の非常識」と断言してます。ホントか??
で、法改正を求める、と。

なるほど・・・この人は、著作権法33条廃止論者だったんです。すなわち、議連の活動目的は、教科書補償金制度を廃止して、すべて作家の許諾が必要にするということだったんです。

というわけで、さらにページを前に送りますと。
【つづく】

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教育と著作権に関する「予備的調査」?

衆議院の文部科学委員会の会議録を読んでいましたら、「知的財産権保護に関する施策と教育現場における著作権保護に関する予備的調査要請書」(平成17年衆予調第3号)というものが「議員前田雄吉君外46名」から出されたらしいですね。
で、最初は「議員額賀福士郎君外47名」だったのが、10月31日付けで「議員前田雄吉君外46名」に修正されました。額賀議員、10月31日付けの内閣改造で防衛庁長官に就任したためと思われます。

この「予備的調査」は、11月1日の同委員会において、衆議院調査局長に命じられたとのことです。

第163回国会衆議院文部科学委員会議録(平成17年11月1日)
http://www.shugiin.go.jp/itdb_kaigiroku.nsf/html/kaigiroku/009616320051101003.htm

ちなみに、「予備的調査」とは、「「予備的調査」とは、衆議院の委員会が行う審査又は調査のために、委員会がいわゆる下調査として衆議院調査局長又は衆議院法制局長(以下「調査局長等」という。)に調査を命じて行わせるもの」とのこと。国会法に基づく院又は委員会の「国政調査権」を補完するものなんだそうです。ふ~む。

(参考)
衆議院HP
http://www.shugiin.go.jp/itdb_annai.nsf/html/statics/ugoki/h15ugoki/yobit/h15yobit.htm?OpenDocument

衆議院HPにはその中身が載っていないのでよくわからないのですが、昨今話題になっている副教材がらみの著作権問題でも調べるんですかね?ハテ。

何かご存知の方がいらっしゃったら、トラバってくださ~い!!

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近デジへの質問主意書:回答も公開に

11/2と11/9のエントリで、国立国会図書館の近代デジタルライブラリー事業に関する質問主意書が出ているということを書きましたが、その回答本文も公開されていました。

衆議院議員川内博史君提出国立国会図書館近代デジタルライブラリー等のアーカイブ事業に関する質問に対する答弁書
http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/b163034.htm

一番目の質問では、近代デジタルライブラリー事業に関する政府の文化的意義の評価についてのものでしたが、「文学作品等の出版物を国民が鑑賞する機会を充実させるものであり、文化的にも有意義なものであると考えている」という回答。ほぉ。近デジって「鑑賞する機会を充実させるもの」なんですね。むしろ社会科学的な内容の方が多いような気がするのですが、文学作品が主体でしたっけ?
「文化的にも有意義なもの」という結論を導きだすために取ってつけたような評価しかしてないような気がします。いや、近代デジタルライブラリーについてこんな評価をしたのを見たのが初めてだったので、少々びっくり。

二問目は、音源ライブラリー構築の可能性についての質問なのですが、「現在のところは予定していない」という、木で鼻でくくったような答弁。ただ、音楽資料の保存及び活用についての調査研究をしているというのを初めて知りましたので、へ〜って思いました。でも、デジタル化とかネットワーク公開とかじゃないんでしょうな。
三問目と四問目は映像ライブラリーと放送ライブラリーの話で、現状を説明しただけ。

あとは五問目。青空文庫に対する支援は今のところ予定していないんだそうです。この質問はむしろ「規制緩和」の方にポイントがあるのかも、と思っていたのですが、あっさりスルーされてしまいました。

大した質問答弁じゃなかったようで、いささか拍子抜けデス・・・

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「要望」は「クレーム対策」ではない。

あんな書きなぐりのようなエントリにもかかわらず、至極まっとうなコメントをいただきました。
ありがとうございました>とおりすがり さま

そんなわけで、コメントの返事を書こうと思ったのですが、せっかくなのでこの返事をエントリとさせていただきました。またコメントいただければ幸いです。

要望の趣旨がクレーム対策というのは少し違うのではないかと思います。
この報告書案をお読みいただいたのでしょうか?

図書館が果たすべき機能から考えて、これらの要望を行う必要があるということだと考えます。

借受資料を借受館でコピーすることも、コピーしたものを図書館の間で送信することも、媒体変換をして資料を保存することも、政府情報を全文コピーすることも、インターネット情報を館内でプリントアウトすることも、障害者に本の情報を提供することも、著作権許諾体制が未整備なために、困難な状況のために、実現が困難になっているのです。(許諾体制がきちんと整備され、図書館資料の大半が事前に一括許諾契約可能となれば、何も法改正の要望なんて要らないと思います)

とおりすがりさんにも、そのあたりの状況をもう少しお考えいただければ幸いなのですが・・・。

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図書館関係、全滅・・・

* 以下のエントリはかなり荒れた文章ですので、お読みの際にはご注意ください。

今日、法制小委(第9回)がありました。
で、著作権関係ブログ界隈では、iPod課金が見送られたためか、祝勝気分のエントリが多いようですね・・・。

でも、当ブログは「図書館と著作権」のブログですので、どちらかというと、気分がふさぎこんでいます。
だって、図書館関係の法改正、全滅だったんですから・・・。
一縷の望みがあると思っていた「借受資料」も「政府著作物」も、どれも見送り。

あ、すみません。
こんなことを書けるのも、すべてzfylさんが報告書案をpdf化してくださったおかげです。
いつもありがとうございます!!

本題に戻ります。
で、一番衝撃的だったのは、前回の会議で中山主査が前向きなコメントをなさっていらっしゃった、「借受資料」でして。
はぁ?
当事者間でガイドラインが締結されそうだから、そちらに委ねる??

当事者間協議の存在って、いったい何なのでしょうか?
図書館間FAX送信の要望もそうですが、どれも当事者間協議で結んだ、あのウサンクサイ「ガイドライン」というものが足かせになって、法改正の必要性がないという結論になってしまいました。これでは権利者側の思う壷じゃないですか。

私は、ここに、即刻、当事者協議会の解散を提案します!
ここで怪しげな「ガイドライン」を結んでしまうと、もう法改正の必要がないという結論になってしまうだけなので、百害あって一利無しです。

次は、政府資料の全部複写についてです。
中間まとめでは、何らかの対応が必要なんて書いてあったので、こちらもかなり期待していたんですが、はぁ?あのすでに「忘れ去られた」意思表示システムまで根拠に出してます。フザケルナ!
そんなに法改正がしたくないんですかねぇ?だいたい「意見がある」って書いてありますが、議事録を読んでいる限り、そんな意見を言っている委員なんてひとりもいないんですけどねぇ。ひょっとして著作権課の職員の意見じゃないんですかね。

さいごです。ウェブサイトのプリントアウト。
これも人をばかにした結論です。中間まとめのときからそうだったんですが。
紛争が起きていないから法改正の必要がない、ですと?
紛争が起きたらどうしてくれるんでしょう。公的機関はグレーなことはできないんです。シロじゃないと。文化庁の人も役人さんなんだから、それくらいわかっているはずだと思ったんですが・・・。憲法にも書いてあると思うんですけどね。

あと、zfylさんのメモを読んで、また目がクラクラ。
図書館側と称する人が著作権課長にいろいろ吹き込んでいるようで、例えば、ガイドラインの相手団体が管理していない著作物については、借受資料のコピーはやらないとか・・・。うそつけ!著作権課長に変なことを吹き込んだ図書館側の人、あんた、A級戦犯ですよ!

・・・と、いくら書いたところで、全滅は全滅。
もうさっぱりあきらめて、これからのことを考える必要がありそうです。
しかし、クヤシイ・・・。

(かなり荒れた内容になってしまいましたので、後日訂正するかもしれません。これをお読みになって気分を害された方、本当に申し訳ありません)

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近デジへの質問主意書の質問本文が公開されました。

以前、国立国会図書館のアーカイブ事業に関する質問主意書が出されたことを紹介しました。そのとき、まだ質問本文が公開されていないのでよくわからない、と書いたのですが、本日衆議院HPを確認したら、公開されていました。

http://www.shugiin.go.jp/itdb_shitsumon.nsf/html/shitsumon/a163034.htm

経過情報」をみると、平成17年11月4日に答弁書を受領していることになっていますので、もう処理は終わっているはず。どんな回答になっているのでしょうか・・・。

で、質問本文を読んでみたら、国立国会図書館については全5問中1問で触れられていただけ。のこりは、レコード、映画、放送番組のアーカイブをつくらないのか、とか、青空文庫のような事業に支援等しないのか、という内容でした。近デジについての質問も、近デジを文化的にどのように政府として評価しているのか、というものでした。保護期間延長反対の立場からの質問なのでしょうが、結構遠回しに尋ねているなぁという感じがしました。

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文芸5団体の公貸権関連声明(長くてすみません)

またまた三田さんがやってくれたようです。
昨日(11/8)、日本文藝家協会をはじめとする文芸5団体が、「図書館の今後についての共同声明」を出しました。

Mainichi Interactive
共同声明:図書館貸し出し補償求める 文芸家協会など
http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/gakugei/news/20051109k0000m040092000c.html

YOMIURI ONLINE
文芸家協会など5団体、図書館の充実求める声明
http://www.yomiuri.co.jp/national/culture/news/20051108ij21.htm

このニュースは毎日や読売の「紙の方の」新聞紙上でも掲載されていますが、どちらもネットの記事の方が内容が詳しいですので、ネットニュースをご覧になることをおすすめします。

お、著作権関係のブログでも早速このネタを取り上げられていますね。さすが。
Copy & Copyright Diaryさん、万来堂日記さん、エンドユーザーの見た著作権さん、著作権云々さん、ふっかつ!れしのお探しモノげっきさんで取り上げられていました。「図書館振興なんて言うけど、要は公貸権導入が目的なだけなんじゃないの?」という論調もあり、私も激しく首肯するところです。

つまり、この声明では、(1)図書館予算の増大、(2)図書館司書の増員と、図書館の強化を訴えた上で、最後に(3)国家または公的機関による著作者等への補償制度の確立を訴えているわけですが、これまで図書館のことを目の敵にしてきたこれらの人々(日本文藝家協会の三田さんも、日本推理作家協会の大澤さんもそうですよね?)が、なぜ今になって、図書館の強化も内容に含んだ声明を出すかが、いかにもうさんくさいわけですよ。で、(1)(2)を出して図書館から賛同を得たうえで、(3)についても図書館側の理解を得よう、そんな観測が出てくるわけです。

このことについてですが、実はこの声明、当初は日本文藝家協会と日本ペンクラブが日本図書館協会と一緒に出そうとしたものらしいのです。ところが、日本図書館協会は、2004年3月5日に、「図書館の基盤があまりにも貧しい現状では、公貸権制度の導入は時期尚早。まずは欧米並みに図書館の基盤が強化されることが先決」という内容の見解を出しています(「図書館における貸与問題についての見解」(2004年3月5日))から、到底受け入れられないわけで、難色を示したわけです。そうしたら、ということで、三田さん(とおそらく日本ペンクラブの松本佑子広報委員長)は、日本推理作家協会、日本児童文学者協会、日本児童文芸家協会に接触して、著作者団体合同での共同声明ということにしたのではないかと思います。

また、聞くところによると、この声明、少し前には文案が固まっていたとかで、一部では「なぜ発表しないんだ」という声もあったらしいです。そして、「10月27日の文字・活字文化の日に発表するんじゃないの?」という観測まで出る始末。う〜ん、なぜこの時期なのかはギモンですね。

この声明で私が一番驚いたのは、日本推理作家協会が名を連ねていたことです。この協会は、公貸権制度の導入よりも、貸出猶予を主張していて、昨年文化審議会著作権分科会に出した要望書でも、「公貸権の導入にあたって、国や自治体に補償金等の財源を求めるものは、金額的にあまり実効があがらぬ恐れがあるほか、手続き的にも繁雑な作業が予想される」としたうえで、「新刊本の売れ行きは、発刊後2週間ほどでピークを迎え、6ヶ月ほどでほぼ落ち着く。いわばこの6ヶ月が、著作権者等の主たる収益回収期間なのである。この利用機会を保護するため、公共図書館に一定の貸出猶予期間(3〜6ヶ月程度)を設定するよう、法制化を進めていただきたい」(*)と書いています。
日本推理作家協会は見解を改めたのでしょうか・・・??

(*)http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/bunka/gijiroku/013/04093001/002/004-4.pdfの(82)とヘッダーが振ってある文書が、日本推理作家協会の要望書です。このpdfファイルはかなり重いので、ご覧になる際にはご注意ください。

あと、今回の声明で最初に図書館予算と司書の増大を求めていることについてですが、おそらく先の日本図書館協会の声明を意識してのことだと思います。先にも述べたとおり、日本図書館協会では、欧米先進国の水準にならない限り、公貸権導入の議論を行うのは時期尚早という立場を取っています。そこで三田さんは、図書館予算と司書の増大を実現して図書館を欧米先進国並みの水準に引き上げれば、日本図書館協会が公貸権導入の議論の場に参加せざるを得ないと考えたのではないのでしょうか。

また、この声明、文芸5団体が共同して出したということにもかなり意味があります。これも伝え聞くところによりますと、文化庁は公貸権制度の導入要望につき、文芸家の団体で意見を一本化しない限り受け付けない意向を示したそうなのです。で、先に述べたとおり、日本推理作家協会は公貸権制度に消極的だったので、意見の一本化が実現できなかったのですが、この声明でようやく一本化が実現し、文化庁にあらためて要望するための環境を整えたというわけです。

公貸権制度導入推進派にとっては、文字・活字文化振興法の制定に引き続き、公貸権制度導入のためのステップをまた一歩進めたことになります。これで今後はますます公貸権制度をめぐる動向を注視する必要がありそうです。

なお、日本図書館協会は、本日付けのメールマガジンにおいて、「日本図書館協会は、共同声明で図書館への理解、協力を示されていることについては心から感謝するものであるが、「著作者等への補償制度」が「図書館の貸出しに対する補償金」との考え方をされていることについては賛成できない旨をかねてから表明している。文芸文化を護ることは、図書館も含めた国民の知的基盤にとって大事なことであり、そのために著作者、出版社など関係者との協力を強めていくものである」とのコメントを発表しています。従来の日本図書館協会のスタンスからみれば当然のコメントといえるでしょう。

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国立国会図書館のアーカイブ事業に関する質問主意書が!

衆議院ホームページには、「質問答弁」というページがあり、何かと話題の質問主意書とそれに関する経過、答弁をみることができます。

で、川内先生のブログ「正々堂々ブログ」に、私的録音録画補償金制度に関する質問主意書を出した、という記述があった(2005年10月27日エントリの「園遊会」)ので、それを見に行ったところ、その上に、「国立国会図書館近代デジタルライブラリー等のアーカイブ事業に関する質問主意書」(質問第34号)というものがありました。

本日現在、まだ衆議院のサイトに質問本文が掲載されていないので中身はわかりませんが、保護期間の延長反対の立場からのものなのでしょうか??

現在のところ、経過しか掲載されていませんが、中身が気になるところです。この「経過」によると、10月31日に内閣に転送されたとのことですので、11月14日までには答弁が出ることになると思います。

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諸外国の公貸権制度の調査報告が発行!

数年前から公貸権だとか公共貸与権だとかという制度の導入につき、主に日本文藝家協会あたりから要望が出されている状況のようで、日本ペンクラブの松本侑子氏なんかは、あの文字・活字文化振興法案のシンポジウムで臆面も無く制度導入を訴えていたわけですが、その公貸権の諸外国での制度について、著作権の専門家による調査が(社)著作権情報センター附属著作権研究所というところで行われていました。

そして今般、この調査報告が、同研究所から発行されたとのことです。
何でも同研究所に連絡すれば、誰でも無料で分けてもらえるらしいです。
みなさんも、ぜひ分けてもらい、読んでみましょう。

風のうわさでは、あの三田誠広氏がこの報告書の完成を待ち望んでいるとか。「どうです。ヨーロッパではこういう実績があるんです。日本もこの制度を導入しなければ、野蛮人と罵られますよ!」とでも言うつもりなのでしょうか(w

私の知るところでは、諸外国の制度導入の実態はお寒い限りのようなので、三田氏がこの報告書を読んで意気消沈するのでは、と、何だか心配になってきたりします。

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会議録がアップ:7/20・8/3の衆・文部科学委員会での著作権関係質疑

ごぶさたしてます。

私的録音録画補償金制度の見直しに関する議論、最近盛んになってきました。
国会でも2回にわたって取り上げられていますし。
(このブログでも取り上げましたが。かなり大胆(?)な視点で・・・でも私などは著作権制度=投げ銭とは考えておりませんでして、制度創設の発端から言っても著作権制度=収益分配のためのもの、と考えており、投げ銭的な理解となったのは早くても1970年代以降、半田正夫教授の言を借りれば「転機を迎えた著作権制度」になってからのこと、と考えております。そして、この「転機」自体、著作権制度の産業保護的色彩を与えることとなったということで、批判的なのです。なのでTBいただいた方などとは見解が相容れないわけでして・・・とはいえ、拙い私なんぞの意見に対してTBいただきありがとうございます!)(*)今確認しましたら、上で言及しました方のTBがどこかに行ってしまったみたいでして、今回の記事を書くにあたってTBできませんでした。申し訳ございません。

その両会議の会議録がアップされていますので、念のため紹介します。

7/20の衆・文部科学委員会議録
(発言番号84番〜86番)

8/3の衆・文部科学委員会議録(発言番号217番〜244番)

8/3の質疑については川内議員もご自分のblogで「 それにしても、役所はこちらが聞いたことに、なかなかストレートに答えていただけないものですね」とため息をおつきになられていらっしゃいますが、いやはやまったく・・・。ぜったい「ベルヌとは関係ない」っておっしゃられないんですねぇ。あり得ない前提を付けて、そうなったらやっぱりベルヌと関係あるっていう文化庁・加茂川次長の御答弁。「原則としては関係ない」とかって答えてもバチは当たらないのでしょうに。やはりこれは、言質を取られまいという姿勢の現れなのかもしれません。ううむ。

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私的録音録画補償金制度と国会議員

昨日は政令指定機器拡大賛成派の議員の発言を紹介しましたが、本日は拡大に反対する議員の発言を紹介。

世耕弘成参議院議員(自民)
7月21日(木):世耕日記
http://blog.goo.ne.jp/newseko/d/20050722
「私的録音に対する一定の著作権料の支払いは必要だと考えるが、現行の補償金制度は複雑で不透明だ。消費者がMD等の機器代に上乗せして徴収されている補償金の20%が、「広報」とか「啓発」といった訳の分からない事業に使われていることも問題である。制度自体がフィクションの上に成り立ったどんぶり勘定だ。著作権者本人に正当な計算に基づいて、透明に分配されていない。ネット配信の普及、デジタル著作権管理技術(DRM)の進歩等、急速に進みつつある環境変化を踏まえた新しい制度を構築せずに、現行制度温存のまま、対象機器の拡大を議論しても意味がない。現行制度はMDと共に消え去るべきだ。」

川内博史衆議院議員(民主)
2005年6月14日
私的録音録画補償金制度
http://blog.goo.ne.jp/kawauchi-sori/e/726f196fb5fd3188e4971cc85d790c3f
「著作権法1条の目的である、文化の発展に寄与する為に著作権が権利者に付与されていることに照らせば、私的録音録画補償金制度は制度自体に大きな問題があり、デジタル技術の発展によって、この制度は「都度+個別+直接」の本来著作権法が予定しているビジネスモデルに変えていくことが、必要なのでは」

党派は異なりますが、ご両人とも同趣旨のことをおっしゃっています。
デジタル技術が発展しているのであるから、現在のような「どんぶり勘定」のような制度ではなく、課金コントロールによって著作権使用料を徴収すべきだ、ということです。

でも、デジタル技術を用いた課金システムが完成するまではどうなるかについてはよくわかりません。いったん現行制度は廃止するのか、それとも現行制度は存続しておくのか、存続するとすれば対象機器は凍結か、拡大か、どうなんでしょう?どうも存続っぽい感じがしますケドも。

一昨日(2005.7.20)の大谷信盛議員のご発言は、この間隙を突いて、デジタル技術を用いた課金システムが完成するまでは現行制度を存続し、そのうえで対象機器を拡大せよ、っていう内容でした。

それではワタクシはどう考えるのかですが、デジタル技術を用いた課金システムも、現行の補償金制度も、どちらも不要、即刻廃止せよ、という立場です。

理由は簡単です。以上の議論では、「音楽の著作物の利用者=リスナー」という前提ですが、この前提自体おかしい。「音楽の著作物の利用者=音楽産業」です。なぜ最終消費者であるリスナーがお金を払うということが所与の条件になっているのか、情報を入手するには必ず対価が伴うのか、ということが疑問です。

三田誠広氏あたりがしたり顔で「作品を読むには対価が必要です」なんてことをおっしゃいますが、違います。作品を読むのに必ず対価が伴うというのは、誤解です。作品を使って「商売する」には対価が伴うのです。

著作権制度がどうして出てきたか。作品が勝手に売られ、売り上げが作者に一銭も入らない。それは不合理だ。だから作者に対し、売り上げから対価を得ることができる「権利」を与え、そのような不合理な状況にならないようにした、そういうことでしょう?つまり、著作権制度は、売り上げの分配ルールとして誕生したのです。情報の対価なんていう考え方はまったくありません。

それがいつしか、あたかも情報の対価が著作権料だなんていう業界に都合のよい論理が登場してきて、今では「情報にアクセスするには対価が必要だ。だから広く浅く対価を徴収するシステムが必要だ」などと言われるようになっています。

いいかげん、ユーザーを矛先にするのはやめましょうよ。作者は情報流通業界にプロテストすべきであって、情報流通業界と手を組んでユーザーいじめをしている場合ではないのではないですか?

そういうわけで、ユーザーから課金をするという案には私は絶対反対です。

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7/20衆・文部科学委員会での私的録音録画補償金関係の質疑(メモ)

 朝日新聞の2005年7月21日付け24面に「デジタル複製と著作権 衝突する利益 下」という記事が掲載されていました。これは2005年7月20日付け33面の「デジタル複製と著作権 衝突する利益 上」の続きです。ともに赤田康和記者のご担当です。前回が「ファイル交換 自由と保護 揺れる着地点」という記事、今回は「補償金制度 矛盾浮き彫り批判の声」という記事で、まさに最先端の著作権問題を取り扱っています。

 で、全体の論調としては、「著作権保護一辺倒ではなく、公正な利用とのバランスも考えましょうよ」という、極めて真っ当(私はそう思います)なスタンスです。

 そんな記事に、以下のような記述があったので、早速衆議院TVで発言をチェックしたのでした。
「国会も関心を示し始めた。民主党の大谷信盛・衆院議員は20日、衆院・文部科学委員会で質問した。」
 
 てっきり「私的録音録画問題を文化庁で検討しているようだけれども、権利保護一辺倒にならず、公正な利用とのバランスを踏まえて検討するようにしていただきたい」とかなんとかおっしゃっているのかと思えば、まったく逆でして、この方も同党の「あの」高山智司議員と同じでアーチスト・クリエーターの味方のようで、一方的な立場から著作権制度をお眺めのご様子です。(彼らに共通なのは、レコード会社や出版社のような情報伝達者の立場に立っていないということですが)

 以下に質疑内容をメモしておきます(内容の真正さは保障しませんので・・・)
 (以下、大:大谷議員、加:加茂川文化庁次長)

大:・・・今一番議論になっているのは、いわゆる私的録音録画補償金制度、著作権法の30条ですよね、補償金制度という問題なんですけれども、これは来週あたりにもう1回小委員会をやってですね、それでもって議論の方向性が出てくるというふうに聞いておるんですけれども、6月30日に第5回目の議論がされたと思っておるんですが・・・文化審議会著作権分科会法制問題小委員会5回目が6月30日でした。これの各委員さんの議事録なんかを読ませていただきますと、ほとんどの委員さんが拮抗していて、例えば、いわゆる一番の問題でありますハードディスク内蔵型録音機器をですね、30条に照らし合わせてですね、他のMDのプレーヤーなんかと同じように政令で組み込むのか組み込まないのかと、これがいいか悪いかという議論がされているんですけれども、私なんかはもう読んでてですね、前田委員のおっしゃっていることが一番わかりやすくですね、いわゆる録音機器というのはですね、今までのものとは違って、音楽も入るけれども、いわゆる日程も入るし、ビジネス情報も入れられると。これ、コンピューターかもしれない。こっちからみたらやっぱり音楽の録音機器じゃないかと。音楽を作った人たちに大きくラフに、著作権をお支払いしなければならないんじゃないかと。どっちから見ているかで全然結論が違っちゃうって思うんですね。しかしながら、売られているのはですね、音楽を楽しみましょうっていうことでですね、売られているわけですから、私はそれなりに、この私的録音補償金制度がある限りにおいてはですね、入れるべきだと。しかしながら、デジタル化が進んでいく中ですね、個別に曲に課金ができていくような技術進歩がどんどんしてきているわけですから、ただ単に入れるんじゃなくて、同時にですね、そういう将来像も描いた中で、いわゆる著作権を、クリエーター、アーチストを守っていくようなことをしていかなければならないっていうふうに思うんですけれども、その辺は、入れる入れないだけの議論じゃなくてですね、大きく考えると、どのような考えてこの議論をリードされているのか、というところが一番知りたいところでございます。

加:ご指摘のハードディスクを内蔵する携帯型の音楽プレーヤーについての私的録音補償金制度との関係についての課題でございます。現在、文化審議会著作権分科会の法制問題小委員会、委員ご指摘のように、日程ももう何回か繰り返して議論しておりますが、この小委員会におきまして検討してい