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障害者サービス関係著作権法改正の「骨抜き」画策か?

長らくごぶさたしてます。変なコメントがいっぱいついていたので消すのに苦労しました・・・。
最終投稿から2年以上も経過していたんですね。ううむ。

久しぶりに投稿したいできごとがあったので、投稿しました。

この前の通常国会で、著作権法の大改正があったことはご存知の方も多いかと思います。
その中でも画期的だったのは、37条3項と37条の2の改正で、この改正によって障害者サービスが大改善される見込みでした。国会会議録を見ても、前向きな回答がありました。

しかし!そんなことを忘れさせるような「骨抜き」が事務方である文化庁著作権課が画策しているようなのです。これは大問題です。

あるきっかけで入手した「照会文書」(どうも障害者団体や図書館団体などに照会しているようですが、よくわかりません)です。いちおう全文掲載します。(著作権法第13条第2号該当と判断)

ごらんいただきたいのは、「注2」です。これによって、文字の音声化や拡大等のサービスを無許諾で行い得る主体が現行のものとほとんど変化がないということになり、今回の改正の意味の大部分が没却されることになります。こういうことを「官僚主導」で行うというのはどういうことでしょうか。国会答弁の趣旨からも大きく反するこのような動きは、問題ではないかと思います。

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著作権法施行令の一部を改正する政令案(障害者関係権利制限関係)に関する事項について(照会)

平成21年9月16日
文化庁著作権課

 平素より大変お世話になっております。
 著作権法の一部を改正する法律による改正後の著作権法第37条第3項又は第37条の2第1号若しくは第2号に関し、「政令で定めるもの」の指定を希望する事業者がある場合は、それぞれについて、以下の事項について、9月25日までにご回答願います。
 ご回答は政令指定の対象範囲を検討する際の参考とさせていただきますので、可能な限り具体的なものとなるようお願いいたします。また、必要に応じて追加の照会することもありえることを、予め申し添えます。

① 指定を希望する「障害者の福祉に関する事業を行う者」 ※注1
② 当該事業者が「視覚障害者等の福祉に関する事業」を行うものであることを示す根拠(法令(条例含む)、定款、その他文書により定められたもの)及び根拠がある場合はその具体的内容(該当箇所の引用又は原本の写しの提出をお願いいたします。)
※注2
③ 現在実施している視覚障害者等又は聴覚障害者等を対象とする著作物の作成・提供に関する事業の状況
 i 対象者(どのような利用者が対象か)
 ii 対象障害種
 iii 事業内容
 a 対象著作物の種類
  b 事業の具体的内容
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ どのような場面でどのような著作物利用が必要となるのか。
   ・ 翻案を行うか否か。行う場合はその具体的内容。
  c 事業実績
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ 作成又は提供をした著作物の複製物種類及び数
   ・ 情報提供を行った障害者数
 iv 利用者が視覚(又は聴覚)による表現の認識に障害のある者であることの確認方法及び利用者の登録制度の導入の有無
 v その他、目的外使用、出所の明示、同一性保持権等に係る規定に従い法令を遵守した著作物利用を行うための体制について。
  以下の点を含め、具体的に記入願います。
    ・ 法令を遵守した著作物利用のためのガイドライン等の策定の有無及びその具体的内容
④ 今後政令指定を受けた際に実施を予定している視覚障害者等又は聴覚障害者等を対象とする著作物の作成・提供に関する事業の内容について
 i 対象者(どのような利用者が対象か)
 ii 対象障害種
 iii 当該事業者の利用者として想定される障害者数の規模及びそれを示す根拠資料
 iv 事業内容
 a 対象著作物の種類
  b 事業の具体的内容
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ どのような場面でどのような著作物利用が必要となるのか。
   ・ 翻案を行うか否か。行う場合はその具体的内容。
  c 事業予定
   以下の点を含め、具体的に記入願います。
   ・ 作成・提供をした著作物の複製物の種類及び数
   ・ 情報提供を行う障害者数
 v 利用者が視覚(又は聴覚)による表現の認識に障害のある者であることの確認方法及び利用者の登録制度の導入の有無
 vi その他、目的外使用、出所の明示、同一性保持権等に係る規定に従い法令を遵守した著作物利用を行うための体制について。
  以下の点を含め、具体的に記入願います。
    ・ 法令を遵守した著作物利用のためのガイドライン等の策定の有無及びその具体的内容
⑤ 現在、事業を実施していない事業者については、今後、新たに事業の実施が必要となる理由。
   (現在、例えば、視覚障害者関係では、(社)日本文藝家協会と(社)日本図書館協会との間許諾契約により、視覚障害者等向けの録音図書の作成が可能となっていると承知しています。また、聴覚障害者関係では、(福)聴力障害者情報文化センターと各権利者団体との許諾契約により、映画や放送番組への字幕付与サービスの実施が可能となっていると承知しています。これらのような取組を行っている事業者は、今後も、事業実施の必要性が相対的に高いとも考えられることから、念のため確認するものです。)

注1: 事業について法令上の根拠が異なる毎に、別々に回答願います。例えば、図書館法第2条1項の図書館、図書館法29条の図書館類似施設は別々の取扱とすることとなります。
注2: 例えば、単に国民又は市民全体を対象として事業を行う旨が定められているのみの場合は、これに該当するとは認められないものと取扱います。

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照会日付が9月16日で、シルバーウィークが間にあることを考えると実際の検討に費やせる日が5日間しかないというのも非常に問題だと思いますし・・・。やる気あるんでしょうか。

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