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パネルディスカッション(1):「文字・活字文化振興法」シンポジウム(7)

次は、シンポジウム「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」です。
例によって発言の正確さは保証しませんから、細かい揚げ足取りなんかには使わないでくださいね。
(もっと正確なのは後日読売新聞やYomiuri Onlineの「21世紀活字文化プロジェクト」のページなんかに掲載されるでしょうから、そちらをご参照ください。)

○ パネルディスカッション「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」
パネリスト:河村建夫(前文部科学大臣、衆議院議員)、小峰紀雄(日本書籍出版協会副理事長、小峰書店社長)、鈴木恒夫(活字文化議員連盟代表幹事、衆議院議員)、肥田美代子(活字文化議員連盟事務局長、衆議院議員)、松本侑子(作家、日本ペンクラブ理事・広報室長)
コーディネーター:児玉清(俳優)

児玉:読書しない人が50%以上いることや、OECD調査などの現状をどうお考えか?
鈴木:私は昭和38年に早稲田大学政治経済学部新聞学科を出て毎日新聞に入り、15年間記者をしてこの世界に入った。このように、書き言葉を中心に青春時代を過ごした者として、国語教育の重要さは念頭に置いている。最近では親が子を殺しても、子が親を殺しても、ベタ記事にしかならない。これは日本社会の乱れを示している。
経済市場原理主義、ジコチュー、大衆迎合・・・日本の文明文化の崩壊を目の当たりにしている。山本有三は30年前から教育の大事さを言ってきた。臨教審のゆとり教育の答申から20年、オウム事件の中心人物は東大などの難関大学を出た者だった。OECDで結果が出ると、ゆとり教育の見直しを言い始める・・・。軽薄な議論だ。
そんなときに何としても作り上げ、崩壊したものを建て直したい。

児玉:法案にかける熱い思いを。
肥田:子どもの本を書いていた30数年前から、子どもの本のスペースが1センチずつ小さくなっている。このことからとっくに本離れや活字離れが進んでいる。でも子どもは本が好き。だけど、本が無いから手が届かない状況になっているだけである。学校図書館は開かずの間で、親も本を読まず、学校でも勧めない。子どもの本離れは当然のこと。私は、子どもに手が届かないことが原因だと考える。
学校図書館整備5ヵ年計画が1992年に出て、学校図書館法の改正、国会決議、国際子ども図書館の設立、子どもの読書議員連盟の設立、推進議員連盟の設立と進んできた。「超党派」「政官民の協力」これが大事で、この10年は実りある10年だと思っている。
朝の読書運動は18,000校で行われ、地域の読み語りやブックスタートも行われ、この流れを大きなうねりにするか小さな流れにするかの正念場となっている。

児玉:現状をどう捉えているか。
松本:作家となって18年。これまで50冊以上本を出している。この法律は、書き言葉だけで生活する者としてとてもすばらしいと思う。感謝している。
出版界の現状は苦しいものとなっている。書店の倒産は1000件以上で、売り場の面積は変わらないが、身近なところの書店が無くなっている。
また、日本の文化・芸術・学術の出版社の経営も悪化している。出版物の売り上げも減少している。
一方で新古書店は都内の各駅にも増えている。読まれるのはいいが、書き手には何も入らないし、書店も大打撃となっている。読み手の人の運動もありがたいが、良質の本を生み出す力が失われている。
また、レンタルブック店がどんどん広まっている。そこで昨年、貸与権を認める法律ができたが、条件で折り合いがつかず、結局未払いのままスタートしている。
図書館の所蔵冊数は、ヨーロッパの水準に達していない。図書館の整備をしてほしいと思う。しかし、10年前に2億冊だった貸出件数が、今では6億冊となっている。このことは、あるいは出版業界に経済的損失を与えているのではないかと思う。

児玉:この法案への熱き思いを。
小峰:より高い日本語を高めるためには読書の質を高めることが必要。同時にメディアリテラシーの観点も出てきた。活字出版文化の基礎としているのは学術専門書や教養書や児童書などである。今は専門性の高い出版物ほど苦しい。これは活字出版文化の衰退を意味している。主要な原因の一つに、出版物が容易に複写されるという問題がある。現在、出版者の権利が規定されていない。したがって、出版者の権利の確立が必要と思う。また、再販制度の維持が必要である。活字出版、読書環境の整備の充実、図書館や学校図書館の整備が必要と考える。

[次項に続きます]

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