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国会図書館長の給与問題(6)

Armacaさまからコメントをいただきましたので、今回は国会図書館長がなぜ国務大臣級の処遇なのかについて、思うところを書きます。

国立国会図書館法の規定からは、同館がすべての国の機関の情報源となるべく期待されていたような感じがします。各機関に置かれた支部図書館がそれぞれの機関の情報源として活動し、中央館たる国会図書館がサポートするなんてことも書いてありますし、行政府・司法府の代表が「連絡調整委員」として国会図書館の活動についての勧告を行うなんていうことも書いてあります。

そうすると、館長の格付けもこれらの代表とバランスをとったものにする必要が出てきますから、館長の給与が国務大臣級となったのではないかと思います。

ところが、仕事は楽な方へ流れていくもので、国会図書館のこういう制度が必ずしも他の人たちに理解されていないものですから支部図書館も中途半端ですし、中央館の方でも積極的に施策を講じることもなかったので、すっかり形骸化・・・。

そうしたら、国務大臣級の処遇なんて必要なの?という話になって当然でしょう。国の機関の情報源になんてまったくなっていないんですから。それにそうなろうとも思っていなさそうですし。

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「図書館」カテゴリの記事

Comments

はじめまして。偶然見つけたブログを楽しんでいます。
さて、給与問題ですが、この背景には、指定管理者制度や書誌登録業務のTRC(図書館流通センター)への丸投げ等に見られる民間外注化や、伝統的な図書館軽視が背景にあると思われます。何で、カウンターで突っ立てたり、早く帰れて子どもをもつ女性でも仕事できる(=パートでもできる)楽な仕事なのに(ゆえに図書館にとばされてくる職員が多い)、国会図書館長はそんなに給料が高いの?、という発想になったかと思います。
しかし、これだけ高度な情報社会になると、真実もデマもあるネット社会(ブログもそうですが)で真実をつかんだり、役所の記者クラブを通じた情報や海外のマスコミからの情報によって成り立ってきた既存のマスコミが、ネットによって地位が低くなってきた(情報の独占が不可能になった)今、図書館こそ、多くの人にチャンスを与える場所だと思うのです。
そして、図書館界をみると、市町村図書館長は課長級、都道府県図書館長は部長級という中、国会図書館長は国務大臣級ということでその役割は大きいと思います(前身の帝国図書館長は、文部省の局長級でした)。
ホリエモン新聞は、給料の高さを批判していましたが、法務省の外局の長(検事総長)が国務大臣級であることは報じないのでしょうか?
また、衆参事務総長のたらい回し人事が、衆参の議院運営委員会(つまり与野党)で決定されたことは、なぜ批判されないのでしょうか?

Posted by: にゃん吉 | April 09, 2005 at 01:06 PM

コメントありがとうございます。
館長人事が議院運営委員会で決定されていたとは知りませんでした。てっきり、戦前から続く箔をつける(必要とする)ための貴族的人事(?)だと思っていました。にゃん吉様教えていただきありがとうございます。
 検事総長とか報道しないのは、記者の方々がプログで散々絶叫されている「情報をくれるから」「怖いから」などなどでしょう。図書館館長なんて、敵に回しても全然怖くないし、無くても困らないからだと思います。

 国会図書館については、末廣氏か謎工氏だったか、著作権問題で国会図書館の調査結果を絶賛し、その調査能力を生かせない状況を嘆いていました。もっと、対外的にアピールすればいいと思うのですが、マスコミに登場しない限り、沈みっぱなしですね。

Posted by: Armaca | April 09, 2005 at 08:25 PM

Amacaさん、レスありがとうございます。
館長人事が議院運営委員会で決まるという根拠は、国立国会図書館法第4条第1項です。

第四条 国立国会図書館の館長は、一人とする。館長は、両議院の議長が、両議院の議院運営委員会と協議の後、国会の承認を得て、これを任命する。

その一方で、国立国会図書館長を衆参事務総長を据えるという根拠は、全くありません。衆参の議院運営委員会が慣例として、決めているに過ぎません。

具体的には、こんな風に決まります(黒澤現国会図書館長の場合)。

154国会 - 衆 - 議院運営委員会 - 52号
平成十四年七月十八日(木曜日)
○鳩山委員長 次に、国立国会図書館長の任命承認の件についてでありますが、後任の国立国会図書館長には黒澤隆雄君を任命すべきものとし、議長において、参議院議長と協議の上、本日の本会議において承認を求められるよう答申するに御異議ありませんか。
    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○鳩山委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決定いたしました。

こんな感じで、衆参の各議運から本会議にあげて館長が決まるのです。給与問題を取り上げるのなら、ホリエモン新聞は、何でこういうプロセスを説明しないんでしょうねえ?

初代の国会図書館長は、金森徳次郎という、内閣法制局長官や国務大臣を経験し、日本国憲法を起草した人物でしたが、2代目は、昭和35年に、安保闘争のときに国会混乱に対して警察隊を導入した責任をとって、衆院事務総長を辞任した鈴木隆夫氏で、「お返し」として衆院議院運営委員長の荒船清十郎氏が工作したものと言われています(毎日新聞昭和35年8月12日夕刊)。

つまり、先日の館長給与に関する国会での議論は、国会議員より給与が高い国会職員がいるのがけしからんではなく、国会職員を館長に決めた、おめえら議院運営委員が何なんだ、ということなんですね。自分でテーブルを汚しながら、テーブルが汚いと文句を言うようなものです。
それが証拠に、現国会図書館長は、辞任する様子はありません。元日本学士院長とか、元東大学長とか、力のある博識のある人物をすえるということも考えないのでしょう。

末広氏や謎工氏がいうように、国会図書館のせっかくの能力や機能をはたしてないというのはあると思います。もっと情報公開を進めた方がいいかもしれません。

って、国会機関には、実は情報公開法は適用されないんでしたね。「行政機関」ではないから。議員さんが何の本を借りたとか、公用車をどこに行かせたとか、わかると困っちゃうからねえ。国会を監視する機関がないのが、不幸のもとなのかもしれません。

Posted by: にゃん吉 | April 09, 2005 at 09:24 PM

「幹部公務員の給与体系の概要」という、幹部公務員の給料の一覧表をみつけましたので、御参考までに貼り付けておきます。
会計検査院長、人事院総裁、検事総長、大使特号は、何で下げないんでしょうねえ?あと最高裁判事。

http://www.kantei.go.jp/jp/singi/kyuyo/dai2/2siryou2.pdf

Posted by: にゃん吉 | April 09, 2005 at 09:49 PM

にゃん吉さま、はじめまして。
Armacaさま、ふたたびありがとうございます。

コメントは、別項にて。

Posted by: gomame | April 10, 2005 at 09:01 AM

もう一つ忘れてました。

>(前身の帝国図書館長は、文部省の局長級でした)。

これについてですが、確か以前読んだ、岡田温先生喜寿記念会編『図書館-その本質・歴史・思潮』(岡田温先生喜寿記念会、1980.11)の中の座談会での岡田氏の発言で、帝国図書館長のときによく文部省の事務官(確か長島さんというお名前)にいじめられたというものがありました。
この「事務官」というのは、今でいう課長補佐クラスの人のことらしいのですが、教育委員会事務局と図書館長のような関係だったみたいです。

つまり、たとえ「局長級」だったとはいえ、所詮は「施設等機関」ですから、予算要求やら事業実施やらをしようとすれば、所管課の担当官と相談しなければならないわけです。

今の国会図書館は、いちおう独立機関ですから、予算要求も採用試験も定員要求も全部自前で行っているようです。

こういう扱いも、国会図書館が省庁と同格ならではのもので、それがなくなったら衆議院だかどこかの「施設等機関」として、衆議院事務局の傘下に入ったりすることになるんですかね?

こんな根深い事柄を、単に「オレたちより給与が高いのはケシカラン」程度の理由でカタを付けてしまうっていうのは、何だかなぁ、と思います。

Posted by: gomame | April 10, 2005 at 10:16 AM

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