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パネルディスカッション(3):「文字・活字文化振興法」シンポジウム(9・完)

シンポジウム「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」の続きです。
例によって発言の正確さは保証しませんから、細かい揚げ足取りなんかには使わないでくださいね。
(もっと正確なのは後日読売新聞やYomiuri Onlineの「21世紀活字文化プロジェクト」のページなんかに掲載されるでしょうから、そちらをご参照ください。)

○ パネルディスカッション「今なぜ文字・活字文化の法律なのか」(承前)

児玉:出版業界から何か要望は?
小峰:この法案によってこの10年の施策が生かされた感じがした。子どもの本の議員連盟との連携も進んでいる。国の施策では、文化審議会の平成16年の答申「これからの時代に求められる国語力について」に期待している。
これまでの施策によって、子どもの読書環境が活発になってきた。今度の振興法はすべての国民が対象となっている。社会全体への取り組みはこれからである。
公共図書館の予算削減は、出版業界にとっても読者にとっても深刻な影響があるので、公共図書館や学校図書館の整備が求められている。
「施策の展開」については、この10年に必要な施策が並んでいる。法律の実体化のためには、この「施策の展開」のところを実体化できるかがポイントとなると思う。
学校図書館に関する要望については、教育現場の方の要望と捉えている。学校図書館整備5ヵ年計画が平成18年で終了するので、平成19年に向けて、次は高校の学校図書館も入れた施策が求められる。また、学校図書館法改正時の附帯決議を実現していただきたい。
すべての自治体に公共図書館の設置をがんばっていただきたい。3,200ある自治体のうち、設置自治体が1,800もない状態である。設置基準の改革も進めていただきたい。また、読書に関する専門職員の育成も行っていただきたい。
この法案は、活字文化振興のための重要な道しるべとなるものである。国会会期中の成立に向け、エールを送りたい。

児玉:気になるのは学校図書館整備費予算のことで、交付税予算になっているので図書館の整備に使われていない割合がかなりのパーセントであると聞いているが。
河村:日本の予算の組み立て方に問題がある。試算では学校ごとに算定を行っており、年間150億円を組んで都道府県に出している。そして都道府県段階では首長に任せることになっている。地方分権の時代ですから。これが政策官庁としては問題となっている。
町長や市長なんかが熱いところはこの予算以上が支出されている。したがって、省に数字が上がってくるときは、数字が合っている。ところが、「未来議連」で具体的に各自治体に尋ねると、自治体によって格差が出ている。これをきちっとやらないといけないと思っている。このことを各地方でも言っていただかないといけない。

児玉:図書館の存在を知らないところもあるだろうから、リーダーシップを取る人の見識によることになる。
司書教諭を増やす方策は?
肥田:学校図書館を充実させるには、人と本が必要。ところが、人はほとんどが兼任。授業を持って、終了後に図書館へ駆け込むという状態で、過酷な状態である。何としても専任とすることが必要。
「学校司書」という文言を入れたかったが、法律で定められている名称ではないので「専門職員」としている。こういう人の配置はぜひ進めなければならない。

児玉:高学歴の人のモラルの低下の状況に今回の法案がもたらす影響は?
鈴木:教育基本法の改正の問題を抱えている。と言っても、復古調のものを作る気は無い。我々の目指すイメージは、豊かで平和な民主主義国家である。私はプロジェクトリーダーとして1回2時間の会議を50回程度行っている。文字・活字文化振興法は議員立法で、教育基本法改正は内閣から提出してもらう。現在はこの詰めの作業をしているが、この教育基本法改正により、教育振興基本計画を策定することになっている。この計画の中に、学校図書館、司書教諭、図書館の問題などを位置づけるよう、お互い進めていて、お約束させていただく。

児玉:この法案へのエールをお願いします。
松本:日本文藝家協会も日本ペンクラブも、この活動に敬意を表しています。理事会でもこの法案を説明させていただくつもり。
学術書の話を少し。学術書は中小だけでなく大手からも出されている。大手出版社も公共の役割を果たすために儲からないながらも学術書を出している。赤字覚悟で出している。この予算は大ベストセラーの売り上げを振り向けて出されている。図書館協会に調査結果を出していただいたが、その中で浅田次郎さんの『鉄道屋』が1年間で70万冊も借りられていることがわかった。このことは悪いことではないが、出版社がこの売り上げで学術書を出していることを忘れないでいただきたい。学術書は「売れる本」から出ていることをどうか忘れないでいただきたい。

児玉:何かございましたら。
小峰:学術書や専門書は、いわば「基礎研究」のようなもので、5年から10年かけなければならない。子どもの読書推進法は基本計画があるから動いている。その推進を期待したい。

児玉:決意表明を。
肥田:人が人らしく生きるためには読書は欠かせない。この法案の骨子案を透かしてみると「施策の展開」が見えてくる。この施策はみなさまで実施するもの、協力するもの。心の食料自給率を今問われているので、みなさまと一緒にがんばっていきたい。
河村:推進議連285名のお力を借りて進めていきたい。衆参の文部科学委員会・文教科学委員会で議論していただく。郵政民営化法案の動きで延長するかもしれないが、今国会の会期は6月19日までしかないので、超党派で全員賛成で短期間で上げてもらうことを両委員会の幹部に申し入れている。
公貸権や版面権も、積み残された問題として議論していきたい。この法案を表に出すことで進めていきたい。

[17:20 閉会]

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