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図書館の冷遇の原因について考察してみる(2)

にゃん吉さんにまた有益なコメントをいただきました。
重ねてありがとうございます!

・・・そんなわけで、考察第二弾です。

前回では、図書館を軽視する状況を生み出しているのは、学校図書館を通じての体験にあるのではないかと私は推察しました。十代のころに経験したものというのは生涯滲みわたるものです。
政治家や行政マンなどの方々の十代、図書館はどういう存在だったか。

この前東京新聞で洞口依子さんが連載をなされていましたが、その第一回で日野市立図書館の移動図書館のことに触れられていて、得難い経験をしたなどとお書きでした。

おそらく洞口さんにとっての図書館観は、そのとき決定したのでしょう。図書館界にとってとてもラッキーな。日野市立図書館、さすがです。

しかし、他の人はどうでしょうか?
卑近な例でいえば、私の生地では当時、公民館図書室があっただけで、しかもバスで十数分という不便な立地。司書さんももちろん常駐しておらず、本の管理状態も最悪(蔵書を盗みまくっていた人もちらほらいたとか)。
また、小中学校の図書館は、当時は「調べ学習」などという言葉もありませんから、単なる憩いの場でしかありませんでした。
そして、高校の図書館や近くの県立図書館は、受験勉強をする場所。

まぁそれでもよいとして、私のこれらの乏しい図書館経験のうち、司書さんと会話したのは、わずかに貸出し返却のときくらい。それ以外のことで話しかけてはいけないのかなぁなどとも思っていたくらいです。

だいたいの人たちは、こういう感じなのではないのでしょうか?
いわく、図書館は本を借りたり受験勉強をする場所。司書さんは本の管理人・・・。

学校図書館を通じてこういう意識を変えるようにしないと、政治家や行政官僚、自治体関係者なんかの意識はぜったい変わりません。
学校図書館を通じて図書館の使い方、とくに調査研究にもこれだけ使えるんだということを理解させる。それを促進するため、学校の先生たちにまず図書館の使い方を理解させる、これだけでも大分変わるのではないのでしょうか。

こういうことをしないかぎり、いくら司書さんの方で「図書館はこんなこともできるんですよ、どんどん使ってください」って働き掛けたところで、ほとんど効果はないのではないのでしょうか。

そういう意味で、文字・活字文化振興基本法の骨子案において、図書館の使い方を学ぶ授業を教職課程の必修にするという施策例を掲げているのは、有効かなと思いました。

昨年4月に日本図書館協会と文科省が「ディスカバー図書館」という催しものを行ったのですが、その聴衆の中には、図書館ってのは調べものとかにも使えるんだ、という感想を述べた方が結構いたそうです。どれだけ図書館の調査研究機能が知られていないかという証拠ではないのでしょうか。

そういう意味で、「ビジネス支援」という目的をあえて大きく掲げている昨今の図書館界の流れは正しいと思います。これを学校図書館でも積極的に推し進めるべきです。読書会ももちろん大事だとは思いますが、情報収集的機能も学校図書館にはあるんだよということを、もっと宣伝すべきでは、と思います。

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Comments

高校の図書館の司書をやってる者です。
残念ながら学校図書館の状況は良いとは言いがたいものです。小・中学校の図書館には専任の職員を置く義務はなく、教員は授業時間がギッチリ入っているので昼休みに図書館を開館する余裕もありません。よって鍵のかかったままになっている学校も多いようです。自治体によっては、パートや週に数日の職員を派遣している所もありますが。
予算も少ないので、調べ学習に対応できる資料が揃っている所は少ないでしょう。そもそも本が分類順にさえなっていなかったりするのですから。(結局、公共図書館を頼ることになる)
高校でも県立高校に司書を置かない県があります。また別のとある県の高校の年間予算は20万円だと聞きました。20万では--何も買えません。(ちなみにウチの学校の雑誌代がちょうどそれぐらいです)
一方、私のいる学校は典型的進学校でマスコミや公務員、教員に多く人を輩出していますが、学習室として図書館を使用させろというプレッシャーは非常に強いです。この春休みにはそれが原因で管理職とケンカになって、遂に「司書に図書館を開け閉めを決める権利はない」と言われてしまいました。学習室として利用させれば、自分が進学に力を入れているというポーズになると考えているようです。
このようにして「死んだ図書室」のイメージは再生産されていくのでしょう。

Posted by: チビ太 | April 11, 2005 at 10:12 PM

チビ太さま
コメントありがとうございました。
現職の高校図書館の司書さんから現状をご報告いただいて感謝です。
昨日のシンポでも肥田議員から「熱心な首長や校長がいるところでは充実しているが、それ以外ではまったくだめ。格差が広がる一方」という現状報告がありましたけれども・・・。
その一方では「地方の方々がもっと声をあげていただかないと」というご意見も。
やはり要なのは地方議員へのロビイングなのでしょうか・・・。
チビ太さま、今後ともよろしくお願いいたします!

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