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文化審議会著作権分科会法制問題小委員会(第2回)(2)

前回では関係資料を先に提示しましたので、今回はその解説などをいたします。

法制問題小委員会の第1回会議において今期の小委員会の審議スケジュールが公表されたわけですが(今回の配布資料の中の「参考資料2」と同じ)、その中で、権利制限の見直しについての検討は、今回(3/30)を入れてあと2回しかなされません。
そして、関係者からのヒアリングは、今回しかありません。

そういう意味では、権利制限の要望をしている関係者としては、ある意味今回は「正念場」となります。
そして、その「正念場」に図書館界の期待を一手に集めて登場するのが、文化審議会著作権分科会の委員でもあり、日本図書館協会常務理事でもある、常世田良氏です。

常世田氏に与えられた時間(それは他のヒアリング対象者にも共通ですが)は、最初のプレゼンの時間がたった5分、そして、その後の質疑応答の時間として15分、合計20分しか与えられていませんでした。その中でどんな議論が行われていたのかは、残念ながらわかりません。傍聴申込みが間に合わなかったからです。

ただ、聞くところによりますと、この会議では主に特許・薬事関係の権利制限について議論があったとのことで、図書館関係ではあまり議論がなかったとか。しかし、予想されていたことですが、あの里中満智子委員が、何かと常世田氏に議論を吹っかけていたとか。

もともと「学識経験者中心の中立的な場」として昨年8月から再構成されたはずの法制問題小委員会に、マンガジャパン代表でもあり、かつて『コピライト』誌に「貸与権がもてない苦しみ」なる巻頭言を発表したことでも知られる、バリバリの権利者側代表である里中氏が入ったことは、当初から奇異な感じがするとともに、イヤな予感がしていたのですが、まさにこの予感が的中した瞬間でした。

法制問題小委員会の再構成のとばっちりを受けて、図書館側を代表して委員の一員となられていた常世田氏が、「団体代表だから」という理由(らしい)で委員から外されたのとは好対照ではないですか。

里中氏は、昨年の法制問題小委員会には一度も出席しなかったので、そんなに印象がなかったのですが、いざ出席したら早速権利者側代表としての行動を開始したというわけです。そういう意味では、すでに映画側代表としての発言を事あるごとに繰り広げていた浜野氏にもひけをとらないと思います(思い出しますよ・・・浜野氏が映画著作物の保護期間を死後起算にすることを執拗に主張して、当時の分科会長であった齋藤博先生にたしなめられていたことを・・・)。

里中氏はある意味三田誠広氏よりも「過激」ですから、タチが悪いですよねぇ〜。三田氏は障害者の読書権に理解があるなど、権利者ゴリゴリではない一面もお持ちですが、里中氏はかつてマンガジャパン代表として、図書館にマンガを置くことに反対し、マンガを置くことについて「展示権」類似の権利を創設するよう主張したという「前科」がありますし・・・。

今後の動向を注意深く見守る必要がありそうです。

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Comments

里中氏がいなくなろうが、純粋に学者委員だけの審議会になろうが、てめえら図書館の要望が理想論だけで、世間離れしたものである以上、要望が通ることはありえない。そもそも一般の国民は、図書館といえば本を無料で借りるとことしか、思っていないんじゃないの?図書館間の資料FAXとか障害者関係の資料作成といっても、いいことだけど、「貸本屋」以上に、そんな業務を図書館に期待する人って、図書館関係の専門家以外の国民でどれだけいるのかなあ?
おまえらにとっては「ドキュメント・デリバリー・サービス」って当たり前に通じる言葉かもしれないけど、公立図書館のソファーに座っている利用者に聞いて、どれだけ知っているかなあ?「そいつらがバカなだけ」と言うのは簡単だけど、需要があると一般国民に認識されないものに制度上有利な扱いをすることは難しいよ。

国民は図書館に期待している、専門的な司書がいる図書館に期待しているって言うかもだけど、それだったら、地方自治体が指定管理者制度をいいことに安易に業者に図書館運営を丸投げしたり、このブログに書いてあるように、図書館を役所の左遷先にしたり、国会図書館の館長の格下げとか、国会改革の槍玉にすることなんてないよねえ?
図書館なんてどっちでもいいから、そんな不利な扱いをするんだよねえ~。専門図書館でも、母体組織が経費縮減のために真っ先にターゲットにするしねえ。

プリントアウトの黙示の許諾について、役所がそんなグレーなことはできないってこのブログで書いてあったけど、それだったら、図書館を民営化すれば済むこと。現に"NewYork Public Library"はNPOが設立するものであるが、世界に誇る図書館として、役所でないことによるデメリットはない。
そもそも、何で図書館員って、公務員である必要があるのかなあ?図書館員の生活のため?

役所であっても、アメリカのLibrary of Congressは、最近googleから多額の寄付金をもらって、"World Digital Library"を構築しようとしている。日本だったら「それは法律上できない…」と言いそうだが、それだったら国立大学のように法人化すれば済むこと。

あとは図書館の人材をどうにかすること。専門家や理想論を言う人間はたくさんいそうだが、戦略を練ったり、パワーゲームに打ち勝つ人間があまりいないのでは?まあ、そういうのがいやだから、図書館界に来たのかもしれないが…

こんなことを言うと「日本では図書館政策が貧困で、ヨーロッパに比べて図書館施設が半分以下だ」というお決まりのいい訳が来そうだが、それは図書館施設を増やす需要がどれだけ日本にあるかを説得していないやつの怠慢にすぎない。そんな日本がいやなら外国に行けばいいこと。

つうことで、著作権法改正について、役所や審議会のせいにする前に、やるべきことがいっぱいありそうだな。

Posted by: 正義の味方 | December 04, 2005 at 01:26 PM

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Tracked on December 04, 2005 at 06:42 PM

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